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きっと、そばに  作者: ミソラ


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エピローグ

 南部最大の都市メリザンド。


 街の中心にある大聖堂からは鐘の音が荘厳に響き、ベルジュラックの当主ジョスランとラウリーヌの結婚式が執り行われた。


 *


 南部の貴族たちはジョスランの無事を知っていたし、市民たちはジョスランの無罪を信じていた。


 リオンが国王に即位して発布されたベルジュラックの復権とジョスランの生存で多少の混乱はあったものの、ローランドの退位とリオンの即位の方が大事件であったためベルジュラックの件はかき消えた。

 おかげで南部が蜂起し独立するということもなくなり、平和に新しい時代へと移行したのだ。


 ジョスランとラウリーヌは南部の住民たちに熱烈に迎え入れられた。再び踏むことはないと覚悟したこともあったが、やはり二人にとって愛する故郷に暖かく受け入れられたことに胸を熱くした。


 ベルジュラックの屋敷にはジョスランの母テレーズや家令ドニと侍女長のブノア夫妻、それからラウリーヌの侍女のメイとサラもみんな揃って涙を流して喜んでくれた。


 落ち着くと周囲から結婚式をせっつかれた。ジョスランとラウリーヌが南部の頂点にいることを改めて知らしめるために必要なことだからと、ジョスランの母テレーズが中心となって準備が進んでいった。


 その壮大な計画を見てラウリーヌはめまいを覚える。南部全土を巻き込んだお祭りにするつもりらしい。

 例えば、クリフとコームに任せていた商会の売り上げもよい上にジョスランがアーチーから得た褒賞もあり、気前よく小さな村にまで食糧と酒が配られることになった。

 それはいい。

 が、街を花で飾り立て、楽団が練り歩きながらジョスランとラウリーヌの絵姿を配る計画を立てていたのは、それはさすがに止めた。恥ずかしすぎる。

 

 しかしラウリーヌは、姑に「浮かれすぎでは?」と言うわけにもいかず、絵姿以外はみんな楽しそうだしいいか、と諦めることにした。


 商会が外国から輸入した珍しい宝飾品やレースをふんだんに使い出来上がった豪華なドレスは、黄金に輝くラウリーヌをさらに華やかにする。

 そしてその手には青いカンパニュラの花。


 重厚な扉を開いた向こうには、ステンドグラスに照らされた祭壇までまっすぐに赤い絨毯が敷かれている。その両脇に並ぶ重厚な柱は尖頭アーチを支え、間にある窓から光が降り注ぐ。


 ラウリーヌが顔を上げると、祭壇の前にはジョスランが立って穏やかな顔でこちらを見ている。

 それだけですでに泣きそうになったが、エスコートしている父が「まだ早いぞ」と囁いたので、すんと冷静になれた。


 居並ぶ列席者には家族をはじめゴーチェの騎士たちが見える。

 ジョスランの無事を知った時、喜びと後悔で涙を流したユベールの姿も見える。

 ユベールはジョスランがシリル監獄に送られた時、ローランド国王に陳情を繰り返して処刑の日まで軟禁されていた。

 力が及ばなかったことを何度も謝ってくれたが、ラウリーヌたちは自分の危険を顧みずに行動を起こしていたユベールに感謝した。

 リオンは立場上来ることは叶わなかったが、本人も「行くわけない」と眉間に皺を寄せていた。


 ゆっくりとジョスランのもとまで歩いて行き、父からジョスランの手に受け渡されたラウリーヌは、二年前にメリザンドを出てから今までのことを思い出していた。


 ジョスランの深く青い瞳とラウリーヌの琥珀の瞳が見つめ合う。


 左手の薬指に小さなダイヤの輝く指輪を交換し、新しい道(ヴィアノーヴァ)を歩んでいく。


 これからは、ずっと、そばに。


【終わり】

読んでいただき、ありがとうございました

(✿ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾

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