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守護獣召喚


「それじゃあ、先ずは、アグネスさん!どんな召喚獣が良いですか?」


「…んー、それなら、モフモフした毛並みの、犬みたいなのが良いわ」


悠は収納リングから、透き通った、白に近い色の魔石を取り出す。



[アイテム]


名称 魔石【Aランク】


説明 ・・・Aランクの魔石。色は透き通った、白に限りなく近い。媒体に使われる事もある。王都で売ると大金貨1枚になる。尚、相場は余り上下しない。







(……Aランク魔石を使えば、良いモンスター召喚出来るよな…。Aランクモンスター討伐は、疲れるから失敗はしないで欲しい…。)




今回は、召喚魔法を使い、アグネスに、守護獣(ペット)を召喚させようと思ったのだ。



何せ、アグネスは出産時に、固有スキルなどを、アリシアに持っていかれているから、自衛が出来ない。



だが、アリシアがダンジョン攻略を終えた後は、悠の旅に付いて行くと言い出して、それをアグネスも了承した。



そこで今回、自衛手段として、守護獣(ペット)を飼う事にしたのだ。




また、アグネスに召喚させる為に、『金蘭之契』を発動させ、召喚魔法、精密魔力操作を共有しておいた。




元Aランク冒険者として活躍していたので、MP不足になる事も無いだろう。



「それじゃあ、アグネスさん!イメージしながら、魔力を魔石に、全部ぶっこんで下さい!」



「分かったわ!」



アグネスは魔力を、収束・圧縮しながら、魔石に魔力を注ぎ込んでいく。



徐々に魔石が光り輝き、輝度が増していく。



––––––凄まじい光を放ち、魔石が砕け、辺り一帯を神々しい煙が包み込んだ。



煙が晴れるとそこには、圧倒的な存在感を放つ召喚獣がいた。






[ステータス]


個体名 神狼(フェンリル)


ランクS


レベル93



HP 3825/3825

MP 4037/4037


AT 3661

DF 3468

AGI 4339

INT 3705



[種族固有スキル]


神喰(ゴッドイーター)


[スキル]


特殊系スキル


・空歩

・威圧

・念話

・人族語

・縮地

・見切り


戦闘系スキル


・神爪術Lv5

・魔爪術Lv MAX


魔法スキル


・雷魔法LvMAX

・迅雷魔法Lv4

・風魔法LvMAX

・暴風魔法Lv2

・回復魔法LvMAX

・治癒魔法Lv2


耐性系スキル


・状態異常無効

束縛(バインド)無効

・全属性耐性



[状態]


・アグネスの召喚獣





神喰(ゴッドイーター)・・・あらゆる敵を切り裂き嚙み切る。相手の格にダメージは左右されない。


(……この技って、当たれば神様殺せるんじゃ…。考えるだけ無駄か…。)




●空歩・・・空を自在に駆けれる。ただし、スキル発動中は、一定割合でMPを消費する。




●念話・・・離れた相手と心の中で会話する事が出来る。




●見切り・・・攻撃を予測する事が出来る。殆どの武芸の達人は、このスキルを持っている。





●雷魔法・・・雷を司る魔法。攻撃に秀でていて、破壊力は抜群。



●迅雷魔法・・・雷魔法の上位互換。威力、射程、規模が向上している。また、300年前の勇者パーティの戦士が、身体に雷を纏って戦闘をしていたという逸話がある。





●風魔法・・・風を司る魔法。汎用性があり、総合的に優秀な魔法。



●暴風魔法・・・風魔法の上位互換。威力、射程、規模が向上している。大昔の戦争で、賢者が使用した時は、巨大トルネードを発生させた。




他のスキルは名前の通りの効果だった。





アリシアは唖然と口を大きく開いたままだ。アグネスは神狼(フェンリル)の尻尾に抱き着き、毛並みを、モフモフしている。


(……アグネスさん…マジ勇者だわ…。)



召喚された神狼(フェンリル)は全長3メートル、高さは1、5メートル程もある。銀色に染まっている毛並みは、神秘的であり、神聖さも併せ持っている。



(汝が、我を召喚せし者か。名を申せ。)


神狼(フェンリル)の念話は、頭の奥深くに直接、話掛けられる様な響きだった。




「アグネスって言うわ、今日から宜しくね!フェンちゃん!」



(……。その…フェンちゃん、とは我の名の事か…?)



「…?フェンちゃん以外いないと思うけど?」



(…む。…そうか、不満はあるが、我は召喚者には逆らえぬ、故に此れからは我の力を存分に使うが良い!)



一声、神狼(フェンリル)が咆哮すると、大気が震え、体が金縛りにあった様に動かなくなる。



「……満足して貰えて満足だよ、これなら、Aランクモンスターを狩った甲斐がある。」



「ユウ!本当にありがとうね。…最後に、娘の事はユウに任せました……あと、アリシア、私はフェンちゃんに護ってもらうから、気にせず旅をして良いわよ」




神狼の毛並みをモフりながら、アグネスは言葉を紡ぐ。




「お母さん!良かったね!こんなに凄い守護獣(ペット)なら、お母さんを任せれるよ!」



(……神狼(フェンリル)をペット扱いは駄目だろ……。…まあ、細かい事は気にしなくていいか。)



「…アグネスさん、俺達はこれからダンジョンを完全攻略して、王都を目指そうと思います!…ですが、完全攻略した後は、1度挨拶に来るので期待して待ってて下さい!」



「ユウ!絶対に、お母さんに吉報を届けようね!…お母さん、私は、世界で一番カッコいい人と旅に出て、未知を探しに行こうと思います。親を放って置く、こんな親不孝な娘ですが……お許し下さい!」



勢いよく、アリシアは頭を下げる。アグネスは最初、驚いていたが、直ぐに、飄々とした何時ものアグネスに戻る。





「……アリシア、お母さんは幸せよ。こうして、最愛の娘の成長した姿も見れて、アリシアを狭い籠に閉じ込めていた、クリムゾン家の当主は、娘の英雄(ヒーロー)が排除してくれた。それに、患っていた病も治してもらった、これで最期は孫の顔が見れれば、言う事無しね–––––––」


「––––アリシア……。私は今、人生で一番幸せよ!!」



満面の笑顔で、そう言われると、凄い説得力がある。



アリシアは薄っすらと涙を滲ませていて、今にも泣き出しそうだ。




悠は、気を遣ったのか、そっと場を後にした。



そこには、必死に運命に抗った、母娘の笑い声だけが響いていたのだった。






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