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闇夜に紛れて

今日は、何時もより多く更新出来たらな、と思います!



月が沈みかけた深夜。


館の中を、漆黒の装備を身に纏った男が、領主の部屋に向けて進む。



男が、何かに気付いたのか、物理法則を無視した様な加速で、壁際に迫り……持っていた刀を一閃する。





すると、隠密を使っていたのか、黒装束に身を包んだ者が現れた。


–––––––体が真っ二つになっているが。



「収納。」


男が呟くと、綺麗サッパリ死体は消えていた。


男は、何事も無かった様に、歩いていく







☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆







寝室に赤髪の男はいた。


先程まで眠っていたのか、頻りに、瞼を手で擦っている。



「それで、侵入者は?」



「…ハッ! 侵入者は、Aランク冒険者に匹敵する、と思われます。」


赤髪の男は興味深そうに報告を聞き、立ち上がる。


「侵入者の排除に向かう。『影』を集め次第行くので直ぐに召集せよ」



暫く経ち、『影』と呼ばれた黒装束が、隊列を組み跪いている。


「賊が、館に侵入している。排除に向かうので、私の後ろより、着いてくるのだ」



「「「「…ハッ!」」」」



男は、『影』を率いて、部屋から出た。




すると、右手の方から、僅かに死臭が漂っている。男は、右手に向かい歩いていく。


男以外の足音は一切聞こえない。『影』は姿を視認する事、さえも難しいのだ。



「おい。アレク領主様!!」


「賊は貴様か。」



賊は、全身の装備を、闇夜を超えた、漆黒の軽鎧を身に纏い、ここら辺では見ない様な武器を持っている。


「賊では無い。俺は報復に来た」


「俺の大切な人達を、傷付けようとした報いを受けろ。」




男は言い終わると、魔力を解放する。



黒装束の中には、その殺気に耐えられず、気を失う者も出ている程だ。


「…ほう。私の『影』よりは数段上の様だな」


「だが……。私は『影』程に弱くはないぞ?」



両者の魔力が衝突する、お互いの魔力は、互角の様に見える。



「…へぇ。中々の魔力だな、アレク領主様! だが生憎、俺は少々剣術も出来るぞ」


男は、先程も見せた、超加速(アクセル)により、一瞬で間合いに踏み込み薙ぎ払う。


アレクは後ろに跳躍し避けたと思われたが、胸元には刀傷が出来ていた。

血が流れるが、持ち出していたポーションを飲むと、何事も無かったかの様に修復される。



『影』が肉壁となって、男を食い止める。


それを見て、アレクは詠唱を始める、魔法が完成すると、圧縮して更に魔法を重ねていく。


「…出来たぞ、コレが、クリムゾン家の血脈が成せる業だ。」


「二重魔法・太陽堕とし!!」



ソレは、直径こそ2メートル程だが、圧縮された焔は、太陽の様に燦々と輝いている。



徐々に加速し『影』諸共、灼熱の焔球が飲み込んだ。



「口程にも無い奴だったな、この秘術を受けて生き残れはしないだろう」


壁や床、天井まで全てを、耐熱性のある石材で造られていたのが幸いしたのか、館には燃え移っていない。


アレクは、焔に背を向け寝室に向け歩き出す。


直後。






激しく、視界が回り、遠くに自分の身体と、刀を振り切った状態の男を視認した。


自分の身体からは首から上が無く、噴水の様に、血が噴き出している。



「お、お、お前…死んだんじ………。」



それが、アレク・クリムゾン最期の言葉になったのであった。





☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆






「勢いで殺したけど、どうしようか…」


一先ず、アレクを収納して撤退する。


帰りは黒装束が1人も出て来なかったからか、スムーズに逃げる事が出来た。






(…あの領主、思ってたより強かった…。あの魔法は、空間魔法が無かったら危なかったぞ)



領主が使用した技術を、今度真似してみよう等と思いつつ、アリシアの家に向かい夜の街を疾走する。






見上げた夜空は、一寸の濁りも無く星々が輝いていた。

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