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魔界事変68 『やるこト』

作者の大学の学期末につき更新頻度が遅くなります。ご容赦ください。

『ジャンヌ、一体何処ニ行くンだ?』


「この施設の最深部、作戦室だ。皇子が君を連れてこい、と言ったんでな。」


ジーナの問いかけにただ事実だけを伝えた。こいつはかなり殺気立った様子で、一歩一歩の足取りに力がこもっているし、手は強く握られるあまりぶるぶると震えている。


あのウィレムとかいう少年を傷つけられたことに相当強い憤りを感じているようで、それは最初に出会った時の情けなく命乞いをする姿や、少年を助け出した後、風呂に入れてやった時に見せた年相応の娘のように涙を流す様からは想像もつかない物だった。


カッ・・・カッ・・・カッ・・・


ガン!ガン!ガン!


薄暗い明かりしか灯っていない通路に私の足音とジーナの重苦しい足音が反響する。何か言葉を発してその空気を壊すことがはばかられる程に、場は張り詰めていて・・・この気まずい雰囲気が辛い。新しい得物を渡して顎を砕いたことを水に流す、そうは言われたもののやはり個人的にいまだ後ろめたい思いが消えない。我ながら無抵抗の子供、しかも瀕死のやつ相手にあそこまでやってしまった事を悔いている。


「よし、この通路の先が作戦室だ。」


・・・ようやく終わった。この二人だけの気まずい空間から開放される。そう思って私は階段の先にある扉を指差した。


ジーナに続く形で作戦室に戻り、私は“あいつ”が戻ってくるまでに話しておくべきことを伝えることにした。


「ジャンヌ、ご苦労だった。ジーナ、まだ辛いだろうによくここへ来てくれたな。」


『今ハ・・・やるこトをするベきなンだ。悲しムのは時間がもったイなイ。』


「よし・・・そうこなくてはな。じゃあジャンヌ、もう一度説明を頼む。ジーナは共通語にあんまり慣れてないからな。分かりやすく頼むぞ。」


了解、とだけ答えてこれまでの状況の整理、そしてこれから何をするかを、もう一度丁寧に話すことにした。


「さて、近年魔界帝国全域で流行している麻薬、『救済の雫』は著しい苦痛を純粋な、特に子供の魂に与えて怨念に染め上げ、それを加工して作られていることが分かった。なんでもこの開発を主導していた宰相、オールスはこれを摂取させた者の魂から力を得ることが出来るそうだ。・・・その者の人格と引き換えにな。」


『あア。確かニ街で見タ中毒者ハ生きてルのカ死んデるノか分からナかった。』


「・・・うむ。そこでだ。暗号の主がそれを専門的に精製している場所は何処か、も記してくれた。」


「・・・何と・・・!してそれは何処に?」


腕を組んで冷静に聴いている皇子と、大きい1つ目をほとんど閉ざしかけているシェラをよそに、ダイゴロウはすっと立ち上がった。


「・・・カレキの森の奥地だ。」

ご清覧本当にありがとうございました。
















少しでも面白いと思っていただけたなら、下の”☆☆☆☆☆”から評価を付けていただければ幸いです。作者は泣いて喜びます。

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