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下らなくも譲れない主張

くだらない話ですが…。

「ちがうもん!!先生のばかー!!わからずやー!!」


「つまらない事でぐちゃぐちゃ言うなよ。」


「つまらなくないし!」



ぎゃーぎゃーと喚き散らしている義妹カップル。

いつも仲がいい、と言うよりもらぶらぶしすぎてウザい位のバカップルが喧嘩をしている。一体全体どうしたものかと義妹のマンションを訪れた兄と姉は眉を顰めた。



「ど、どうしたの?珍しく唯ちゃんが駄々こねてるけど…」


「神崎ちゃんが駄々こねるの珍しいの?」



兄カノ桜、姉カレ悠生も驚いているが、秀人と美奈はもっとびっくりしている。

元々遠慮がちな性格をしている唯がこんなにも自我を押し通すなんて言う事は、亨と付き合う時に揉めて以来だ。結局は自分達が唯の可愛いお強請りに負けて許してしまったのだが、あんなにも頑固な唯も珍しかった。父、総一郎曰く「あの頑固さは実父の千歳譲り」らしい。


そんな唯が一体どうしたのか。

リビングに入って様子を伺ってみると、床に座りこんでナイトに抱きついている唯と、それを呆れたようにソファーに座って見ている亨がいた。



「どうしたんだ、お前達。」


「唯、何かあった?バカ遠藤が何か言ったの?もし嫌な事あったらすぐに戻って来ていいのよ!」


「お兄ちゃん、お姉ちゃん!うわーん!!」



うわーんと言いながらも、全然涙は出ていない唯が突っ込んで来たのを受け止めた秀人は、原因を作ったらしい亨を睨んだ。また、美奈も同様にその綺麗な顔で亨を睨み付けた。

美しすぎる美貌の兄弟がギリギリと睨み付ける中、その威力に引きつったままの桜と悠生を尻目に亨は悠然とテーブルの上を指差した。


そこにあったのは、駄菓子。

一本十円の棒のあれ。

しかし、それは大人買いされたもので、一まとまりになったものがいくつもある。良く見ると、全部の袋の色が違っていて、全部の味がそこにあるのではないかと思われた。



「唯が自分はサラダ味しか認めないって言うから、味なら沢山あるだろって言って、言い合いになったんです。それから融通の利かない唯が騒いでいたんですよ。」


「融通きくもん!私はチーズ味とかもあるけど、基本はサラダだよねって言っただけなの。ね、お兄ちゃん。お兄ちゃんもあれなら食べるでしょ。基本はサラダだよね!?」




………。


くだらねぇ事で喧嘩してるなと思った桜と悠生だったが、桐生兄妹は違うらしい。

苦悶の表情を浮かべているところを見ると、愛しい義妹の質問にどう答えるかかなり葛藤しているようだ。

二人とも彼等の好きな味は把握している。秀人はサラミ味が好きで、美奈はコーンポタージュ味が一番好きだ。ここは自分の好きな味を押し通すか、可愛い唯の要望どおりにサラダだと言うのか。

非常にくだらない事ながらも、桜たちは固唾を飲んで見守った。



「ぼ…僕はー…」


「あたしー…」



答え難そうな二人を見て、亨がふうっと息を吐いた。



「ほらな。サラダが基本じゃないんだって。基本はチーズだろ。」


「サラダ!絶対サラダ!!もー、埒があかない!ね、桜さんは!?」


「あ、あたし!?あたしはチョコかなー。」


「チョコ!?そんな数年前から出てきた新人味なんか基本にすらならないよ!」


「…唯ちゃん、性格変わってない?」



違うもん、違うもんと言いながら桜の意見を真っ向から否定した唯は悠生にその矛先を向けた。



「早乙女先生は!?」


「俺!?俺はー………納豆かなー。」


「「「「「納豆!?」」」」」



全員の声が揃った。

その驚愕の目を向けられている悠生は平然と納豆味の棒をもさもさ食べている。



「あれ、納豆味知らない?ちゃんと粘るんだよ。」


「納豆なんて信じられない!あれが基本なわけない!!ね、先生、ないよね!?」


「納豆はないだろー…。ほら、他の三人も同意見みたいだぞ。」


「悠生、特殊嗜好だな…。いいのか、美奈。」


「納豆…。ごめん悠君、あたし納豆駄目なの。あの粘りが嫌。」


「納豆…。微妙だね…。」



全員から納豆を否定された悠生は、酷く項垂れた。




ちなみに。



「たこやき味。」


「…パパ…」


「あの固い感じがいい。」



結局、唯のサラダ味主張は総一郎のたこ焼き味発言で白紙に戻った。

ちなみに私は唯の言う通り、サラダ味が一番好きです。食べやすいから!

逆に余り好きじゃないのはテリヤキとかとんかつソース。味濃すぎて…。


皆さんは何味が好きですか?

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