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26 騎士団長の息子は攻略対象に会う

接触


アリスを送ってから早速俺はリンスと共に行動を開始した。まず向かうのは攻略対象の中でももっとも重要なキャラクターである王子の元だ。


「というか、今さらだけど着いてくるのな」

「本当に今さらだね」

「あんまり兄貴に良い感情を持ってないとばかり思っていたからな」

「まあね。でも、一応兄さんだし、エクスひとりに任せるのもどうかと思うからね」


なんとも苦労人なリンスに頷きそうになるが、まあ多分このあとあの狸親父への報告も兼ねての付き添いなのだろう。まあ、リンスなら余計なことは言わなそうだがこれから何がおこるかわからない状態で一人連れていくのはかなり悩み所たけど、そこはなんとか抑えて言った。


「まあ、確かに俺の顔を見ていきなり殴りかかってきたら話にならないしな」

「多分、そういう展開はないと思うよ。それにその場合だと僕も巻き添えになるし」

「まあ、殿下に怪我を負わせるわけにはいかないから、その場合は最低限逃げる手伝いはするさ」

「守るじゃないあたり君らしいね」


そりゃ、男を守るなんて言いませんよ。俺が守るのはアリスただ一人。まあ、結婚して子供ができればそこに子供も含まれるけどね。大切なアリスとの子供だしやっぱり可愛いと思うのだろう。そんな風に話しているといつの間にか部屋の前にたどり着いていた。衛兵に話しかけてからリンスは部屋をノックした。


「兄さん。入るよ」


返事はなかったがリンスは特に気にした様子はなく普通にドアをあける。王族らしい無駄に広い部屋に豪華な装飾の部屋で頭を抱えて座っている王子がそこにはおり、リンスは王子に静かに話しかけた。


「兄さん。お客さんだよ」

「・・・リンスか。一体誰だ」


ゆっくりと視線を俺に向けると王子はかなり驚いた表情をしてから苦々しく言った。


「俺を笑いにきたのかエクス」

「まさか、メイス様が気落ちされてるとお聞きして様子を見にきました」

「ふん、貴様には関係なかろう」

「これでも元側近ですから、関係なくはないですよ」

「俺から全てを奪ったくせによくそんな台詞が言えるものだ」


地味に根にもってる。おそらくマリアが侍女になったことも知ってるからこその台詞なのだろう。アリスのことかもしれないが・・・王子とアリスの相性は最悪だからな。おそらくアリスは全く関係ないだろう。


「奪ったとは人聞きが悪い。きちんとアリスには婚約破棄したあとに婚約を申し込みました。それに、メイス様を正気に戻すお手伝いをしたではありませんか」

「アリスには悪いことをしたと思っている。だが、俺はあのままでも良かったんだ。マリアと一緒になれれば」

「それでアリスが苦しむとしても?」

「ああ」


その言葉に俺は一瞬殴りかかりそうになるが、それをなんとか抑えて言った。


「なら、これは罰ですね」

「罰だと?」

「他人を貶めようとした罰です。アリスを散々苦しめたのでその罰でマリアと王位継承権はあなたの元から去ったのです」

「そんなことで全てを失うとはな」


そんなことだと?むしろその程度で済んだことがびっくりだよ。俺としてはもっと追い詰めて自殺させてもいいと思ったくらいだから。リンスから話がなければ早めに処理したかった案件だからな。それでも、そんなことは言わずに俺は言った。


「そんなことにも気付けないからあなたは失恋したのです」

「失恋か・・・やっぱり、マリアには他に好きな男がいるのか」

「知ってたのですか?」

「ああ、わかってた。マリアが俺ではなく他の目標を見ていたことには。それでも何かしたくて焦って、よくわからなくなって婚約破棄して全てを失った」


へー、意外に勘がいいな。それでも大胆な行動に出たのは、魅了魔法の効果だけではないな。おそらくこの焦りが魅了魔法の効果を高めたのだろう。


「ならばメイス様。一つ勝負をしませんか?」

「勝負だと?」

「ええ、メイス様が勝てばマリアともう一度会うチャンスをあげます。ただし負ければ私の言うことを聞いてもらう。どうですか?」

「そんな約束が貴様にできるのか?」

「そのためのリンスですよ」


そう言ってリンスを見ると苦笑しながから答えた。


「これでも王太子ですから、ある程度はできますが・・・まあ、エクスの判断に任せます」

「と、いうわけです。どうですか?」


そう聞くと王子は笑って言った。


「ならば受けよう。貴様にどんな企みがあるかわからんが、勝てばいいだけだからな」

「では決まりですね」


勝負といっても普通に戦えば俺の圧勝だろう。だからある程度ハンデをつけて圧勝すれば予定通りにはなるはず。それに、この王子には一度、アリスへの仕打ちの分をきっちりと清算しておきたいという思いもあったので、丁度いい機会だ。もちろんアリスは気にしてないだろうが、この王子には一度俺がきっちりとお灸を据えておきたいのだ。そんな感じで俺が企むのを察したのかリンスが苦笑していたが、特に止めてこないあたりやはり好感が持てる。親友と呼んでもいいくらいに思考を読まれているようだ。



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