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発見文書 No.064-c

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発見文書 No.064-c

種別:現場検証記録

作成者:埼玉県警奥武蔵警察署

日付:2025年9月1日


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【埼玉県警奥武蔵警察署 現場検証記録 作成日:令和7年9月1日 検証担当:巡査部長・鶴見 巡査・宮内 立会人:田中工務店 田中(解体業者現場責任者)】


現場検証記録整理番号:令7-0901-B


検証場所:埼玉県奥武蔵市祢古沢町     

旧養護施設「ひだまりの家」跡地


検証日時:令和7年9月1日 午前10時〜午前11時45分


到着時の状況:


跡地は解体工事がおおむね完了している。敷地は更地に近く、コンクリートの基礎と一部の壁面が残存。施錠なし。


特記事項一:残存壁面


解体工事は本年6月末に完了している(田中立会人の証言)。しかし、検証時に東棟の壁面が一部残存していた。田中立会人は「確かに壊した。6月に壊した」と述べ、壁が存在していることに困惑していた。


壁面の状態:コンクリートブロック製。経年劣化が見られる。しかし解体の痕跡(重機による破損跡、切断面)は確認できなかった。一度も壊されていないように見えた。


特記事項二:建物内部の気温


外気温:31.2度(携帯温度計による計測。10時15分)


建物内部に進入した際、明らかに温度が上昇した。携帯温度計を確認。


34.2度。


エアコン等の空調設備は存在しない(解体済み)。直射日光の影響とも考えにくい(壁の内側であるため)。


担当・鶴見の所感:「建物の中だけ異様に暑かった。蒸し暑いのではなく、乾いた暑さだった。8月の晴れた日の校庭みたいな暑さだった。9月1日の、壁に囲まれた屋内の暑さではなかった」


特記事項三:黒板の赤ペン筆跡


東棟の一室(旧事務室と推定)の壁面に、黒板が残っていた。解体業者によれば、黒板は撤去済みのはずだが、壁面と一体化しており撤去できなかった可能性がある。


黒板の表面に赤いペンによる筆記の跡が確認された。


フラッシュを使用して撮影を試みた。撮影された画像には文字が映っていなかった。肉眼では確認できるが、写真には映らない。


各人が目視した内容:


 担当・鶴見:「よく来ましたね」 

 担当・宮内:「いつまでもいっしょに」 

 立会人・田中:「読めなかった。でも知っている字だと思った」


三名がそれぞれ異なる文字列を読み取った。鶴見の「よく来ましたね」は、段ボール箱に収められていた日記の赤ペンコメントおよびKの口癖と一致するが、検証時点でこの情報は鶴見に共有されていない。


赤ペンの跡から微量のサンプルを採取し、成分分析を実施。結果:1987年当時に流通していた油性ボールペンのインク成分と一致。同時に、ヘモグロビン由来と推定される有機物が微量に検出された。


特記事項四:窓からの風景


担当・宮内が建物の窓から外を見たとき、以下の証言を行った。


宮内証言:「窓の外に校舎が見えた気がしました。1987年以前の建物のような。すぐに写真を撮りましたが、映っていたのはただの空き地でした。でも——蝉の声が聞こえていました。9月1日に蝉の声は——」


宮内は証言の途中で体調不良を訴え、外に出た。嘔吐。その後回復したが、「蝉の声がまだ聞こえる」と述べた。検証終了後のホテルでは「聞こえなくなった」とのこと。


翌日(9月2日)、宮内に再度確認。「昨夜、教室の夢を見た。先生が『よく来ましたね』と言った。目が覚めたら汗をかいていた」。


この証言は本検証記録には含めるべきではないが、記録として残す。


特記事項五:床面の文字


旧事務室(推定)の床に、鉛筆書きの文字が残っていた。


「8月32日」


それだけが書かれていた。筆跡の同定は行っていない。


特記事項六:失踪者の痕跡


建物内に浅川静の所持品は発見されなかった。


ただし、旧事務室の机(残存していた)の上に、原稿用紙が一枚置かれていた。白紙。ただし1行目に、薄く鉛筆の跡があった。


「今年の夏休みは——」


それだけが書かれて、止まっていた。


結論:浅川静の所在は確認できなかった。捜索を継続する。

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