発見文書 No.061
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発見文書 No.061
種別:編集者作業日誌(断片的)
記録者:浅川静
日付:2025年8月13日
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2025年8月13日 午前8時17分
今日の日付を確認した。2025年8月13日。
1987年8月13日から、三十八年。2000年8月13日から、二十五年。
全部、今日です——というKの言葉が聞こえる。聞こえる、と書くのは、頭の中で鳴っているからだ。
朝ごはんを——食べたか。食べたはずだ。
2025年8月13日 午前(時刻不明)
出社した。廊下が長く感じた。歩数は数えなかった。
8月13日の記録——阿部記者とKの対話——の校正ゲラを開いた。
読んでいると、音が聞こえた。「モウスグ」。
振り返った。誰もいなかった。
2025年8月13日 午後3時33分
時計を見た。3時33分だった。
ふと見たら、3時33分だった。
秒針が動いていることを確認した。動いていた。
窓の外を見なかった。
見なかった。
2025年8月13日 夕方(時刻不明)
ゲラの最後のページに赤字があった。
《浅川さん、よく読んでいますね》
北村ひろみの赤ペンコメントと同じ文体。
「よく書けましたね」ではなく「よく読んでいますね」。
私は今、書いているのか読んでいるのか。
帰り際、廊下でチリンという音がした。
確認しなかった。
2025年8月13日 深夜(推定)
教室にいる。窓の外に夏の空。先生がいる。
先生の顔が見える——と思ったら、見えなかった。
「よく来ましたね」
目が覚めた。手元にノートがあった。ペンが走った跡があった。
書かれていた内容を、読むことができなかった。読めた。でも、ここに書くことができなかった。




