勝利の美酒(謎の肉の野菜スープ)
私の手持ち武器は
細めの棒(頼りない)と周りの石ころ
牽制しながら石ころを何個がポケットの中へ
愛刀は異世界転生して初めて拾った指ぐらいの太さの枝
ネズミが徐々に私との距離を詰めてくる
後退してもおそらく追いつかれる。
怖くて動けずにじりいじりと詰め寄られている
手に持った石をネズミに投げる
「先手必勝!」
しかしネズミの体に当たるも大したダメージではないらしい
体格大きいしね。
逆激昂したネズミが飛び出してくる
棒を両手に持ち
狙うはネズミの口に叩き込むような突き
体を狙っても折れるだけなので口の中を狙うも
当たったのはネズミの喉…しかも真ん中からボッキリと折れてしまい
ネズミには大したダメージが入ってないご様子
しかし私の方は大型ネズミの右からの払いでお腹あたりに怪我をしてしまう
どこかの主人公みたいに華麗に動けるわけでも
特別な力があるわけでもない私には想定できたダメージ
焼けるような痛みを我慢しながら
大型ネズミと睨み合う
こうなったら素手でやるしかない…
だけど素人ができる素手の攻撃なんてたかが知れてる
そして相手には生半可な攻撃ではダメージが入らない
ボクシングポーズをしながら睨み合う
おそらくネズミはさっきと同じ右からの攻撃をしてくるだろう…
ソレを左腕か横腹で受けつつ右手で渾身の一撃をネズミの左頬に打ち込む
そんな考えをしているとネズミが突進して来た
え?予想外なんですが…まって!ソレは私の計画に無かった!
ちょっとまっ…突進でぶつかる寸前、右の拳に力を入れてネズミの左ほほにクリーンヒットさせる
しかし突進を止められるわけでもなく数メートル飛ばされてしまう
しかも打ち所が悪く気を失ってしまいました。
気を失う寸前ネズミが気絶してるのが見えたので
相討ちか・・・先に起きたほうが生き残るのか…と思いながら意識が遠のいていきました。
目がさめるといつものベット
木が硬い。
そして身体中が痛む
主にお腹と左腕と左横腹と右手が痛い
あと頭もズキズキする
目が覚めた後に部屋にいた子供達が泣きながらこっち見てた
痛いから揺らさないでほしいなぁ…とおもいつつショックの影響なのか言葉が出ない
そうして奥からおじいさんが血相変えてやってきて
安静にすることや
左腕が折れてること右手もヒビが入って…と今の体の状況を教えてくれた。
何か初めて聞く言葉。
多分治療呪文のようなもので治療効果を高めているから安静にすれば1ヶ月ぐらいで完治するらしい
手などはもう少し早くなるとかなんとか。
でも絶対安静で
まさに要介護状態らしい
仕方なかったとはいえ少し怒られた
そしておじいさんに何かの薬をもらいそれを飲んでご飯を食べさせてもらいました。
温かい消化に良さそうな野菜のスープ
詳しい話はまた後日、と言われ、黙々とスプーンで食べさせてくれる
なぜかいつもは入ってない細かく切られた何かの肉が入ってる。
でも痛みと空腹でそれどころではなく
それにおじいさんが口に運んでくれるから美味しく食べる
その間なぜか村の方から祭りのような声や賑やかな感じが伝わってきてたけど
そんなことは頭の片隅から抜けて
食べ終わると眠気に襲われ泥のように眠った。
目が覚めた時には昼頃で
夕方に食事が運ばれてきてその時に3日ほど寝てたらしいと聞かされた
まだジクジク体が痛みはするけど初日ほどではなく少しずつ回復傾向にあるらしい
次の日のお昼頃に村長とおじいさんとが部屋に来られて少し話をした。
あの日、何をしている時ネズミが出てきて、それから子供達を逃して
私がどう対処したかなど細かく聞かれたが
子供達が逃げながらチラチラ見てた子もいたらしく確認のために聞いてる感じの様子
村長から労いの言葉と感謝の言葉をいただいて
食事の前に飲んでた薬は村長さんから賜ったものでネズミの菌から身を守るための薬だったらしい
今日からまた朝晩薬を飲んでくださいと言われ3日分ほどもらった。
そんな要介護な日々を勉強しながら1ヶ月我慢して乗り切り
ようやく体が動けるようになりリハビリ生活。
魔法のおかげかあれだけの重症でも傷らしい傷は見当たらず
魔法すげーってなった。
あの戦いの後で村の人がすごくフレンドリーになり私を見かけると必ず笑顔で挨拶をくれるようになった。
すごく嬉しい。
水汲みと薪割りは無理でもそのほかの雑務をこなせるほどにはなっていた。