第十三話 次の国
「うわぁ〜今までの街より人が多いですね!!」
フィルとセラはノースホルム王国から南西に位置する国、サウスカロール共和国へと足を踏み入れた。
そして、首都サマールへとやってきた。
サウスカロール共和国は首都以外にも人口の多い街があるが、首都サマールは他の街と比べると一線を画す。
フィルとセラはいくつかの街を転々とし首都サマールへとやってきた。
本来ならば首都以外の街に身を潜めるのがいいのかもしれないが、ノースホルム王国を後にしたとなると行方を追われる可能性がある。
そこで、フィルはどうせならと一番人口の多いと言われる首都サマールへと向かう事にした。
というのも、サウスカロール共和国は共和国と言うだけあって他の国の人が行き来している。
その為、セラのような人物がいたとしても目立たないと思ったのだが……。
「フィル君! あそこの店美味しそうですよ!」
「あっ、あっちからする匂いも美味しそうです!」
「フィル君、なんであの人は髪の毛がてっぺんだけないのでしょう?」
と言った風にセラが思うままに言葉を口にする事によっていろんな意味で注目を浴びていた。
フィルはその度、セラに注意するが好奇心旺盛……と言うより思った事をそのまま口にするセラに対してどうしようもなくなっていた。
(まさかこんなに騒ぐとは……フレイヤさんが昔、女は目新しい場所に行くと子供に戻るって言ってたのはこの事か……)
フィルは内心で上司であるフレイヤの言葉を思い返していたが、少しズレていた。
フレイヤは女性を目新しい場所に連れて行くと喜びそれが非日常を演出し女性を落とす技だと言っていたのだがまだまだ若いフィルにはうまく伝わっていない。
さらに、セラ自身もどちらかとただ単に子供と同じように好奇心を擽られているといった感じだ。
フィルとセラ、二人に対してフレイヤが言う恋愛理論にたどり着くにはまだ早かった。
「おいセラ! あんま騒ぐなよ!」
「いいじゃないですか! だって楽しいんですから」
人が多い中、たくさんの人にいろんな目でみられる二人はいつものようなやりとりを交わす。
群衆も奇異な目で見る中、一人周りとは違う目で二人を見る人影が二人に近づいていた。




