剣道少女の表
ムツミくん、もう帰るの?
なぜ、裸なんだ?
・・・露出。
え?
一瞬のことで、このミワの言ってることがよく分からなかった。ミワはモジモジと体を動かし、顔を赤らめ、視線をそらしっぱなしで焦点が合わず、膣と、乳を腕で隠し縮こまっていた。
露出ってどういうことだ?
見て!今の私のことだよ!
急に大の字に体を広げて、真剣な赤らめた表情を僕に見せた。
ほら、足先からお腹まで全部晒してるよ。
う、服はどうするんだ。
指先はギュッと閉じていて緊張状態にあることは確かだったが、唐突すぎてこの状況を理解できないままでいる。すると、ミワは強い力で手を引かれた。
どこへ向かうんだ?
空き教室。
お互い裸足、彼女に至っては全裸で、薄暗い学校の廊下にペタンペタンと2つの足音が響く。階段を登り、自分たちの学年の廊下の手前にある渡り廊下へ続くドアを空け、吹き抜けで誰かに見られるかも知れないのに、ミワは構わず進んだ。ガチャリとドアを開け、無人の廊下をひたすら歩いた。
ガラガラ!
奥の音楽室から、あのギター少女が出てきた。そのいきなりのことに、我々は固まって動けなかった。ミワは背筋を硬直させ、もはや身を隠すこともままならない様子だった。だが、ギター少女はそんなこと意に介さず、上履きも履かずにこちらへ向かい、一瞬の剣道の臭いに顔をしかめたが、会釈しながら裸足で走り去るだけだった。
ちょっと待った!
僕の掛け声に、裸足のギター少女は立ち止まって振り返ったが、誰にも話さないっすよ、お幸せに、とだけ吐き捨て、去っていった。
呆気にとられたが、ふとミワを見てみると、体をプルプル震わせて、涙を流してるのに笑顔だった。
いったいどうしたんだ?
わ、わたし、赤の他人に、裸を見られた・・・
その様子に彼女の本当の姿を見てしまったのかもしれない。彼女は、強烈な露出狂なのだ。想像の話ではあるが、その観察力、嗅覚は、自分の本当の姿を隠すための強力なレーダーとして働いていたのだ。しかし、普段中の良い、僕やマウラを中心に突飛な出来事が立て続けに起きて、その露出狂としての本性を私にぶつけてきたというわけか。
一旦教室へ入ろう。
裸体の彼女の背中を押してやって、ガラガラと誰もいない暗がりの空き教室に入った。そして、扉を閉めて奥の方へ隠れた。一旦安全な場所へ避難したことで、彼女も落ち着き、いろいろと話し始めた。
私、とうとう一線を越えちゃった。
人間そういう時もあるさ、それにしてもここにきてどうするんだ。
あなたと一晩明かす。
マウラが・・・羨ましくなったのか?
コクリと頷いた。僕は全裸になり、ミワを押し倒してまさぐった。
ミワは困惑した顔を浮かべたが、身を委ねるんだというひと言に目を閉じた。しばらくすると、ミワも解れてきて、心が溶け合う感覚が蘇ってきた。ミワはふとバッグの中から、コンドームを取り出した。これ、使って、の一言に僕は迷わず、装着し、うつぶせになるミワにバッグで挿入した。ここまで準備したミワに迷いはなかった。僕はどこかで、心の隔たりを感じながらも、お互い腰を動かし、最後にはイッた。
コンドームを外して、ミワに見せてやる。窓から差して光る透明な玉に、線香花火だね、と、マウラの決めゼリフのようにつぶやいた。
たしかに線香花火のように儚く過ぎたこの時間は、一瞬たりとも忘れてはいけない刹那なのだなぁと、空を見上げ思いにふける。
ミワは満足したのか?
ちょっと答えに迷っていた様子だが、納得げな表情を浮かべ、うんと返事した。じゃあ寝ようかと言い、お互い、教室で雑魚寝をした。
今日の出来事は、ミワにとっては強烈で、すべてが初めてのことだったのだろうから、整理が必要だろうな。僕は何も語らずに寝た。




