112/114
空飛ぶ彗(ほうき)
「…完成」
何故かどうにもクロックパンクな外装の箒を見て、私は呟く。
メテオをカコたちに押し付けて、私は代替の機動手段を作った。
“彗星”。主動力にジャイロ式反重力推進機構、推進補助に箒部分のプロペラ、旋回補助に小型CMGを備え、それら全てがゼンマイ仕掛けで動く、ちょっとイカれた空飛ぶ箒。
メテオやテクナと違い、意思は有さない。流石に歯車とチェーンの塊に意思を宿すのには無理がある。
試乗。
「うおっ…意外と駆動音がすごい」
ギュオオオオオオオン、ギャリギャリギャリギャリ、って感じ。ゼンマイ仕掛けから出て良い音ではない。
「でも取り回しはすごく良い…接地せずにゼンマイ仕掛けの回転だけで前進できるのは何かのバグでしょ」
飛行速度も悪くない。普段使いにも良さそうだ。
…
そこの「現象で空飛べば良くね?」とか思った奴。
後でガレージな。
物騒だねぇ。
「 お め ぇ も だ よ 猫 じ ゃ ら し 」
サーセン。




