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落ちこぼれ魔法士は【樹木魔法】で世界を救う!?  作者: はりまぐろ
第三章 大精霊の試練 〜マンティスアロー男爵領 大魔王復活事件〜
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ーーー


魔族モニリニアの襲撃とアーコレード第二王子の謀反事件から、2年という月日が経過していた。

その間、僕や僕の仲間達は皆、魔法の修行をして戦力増強をはかっていた。


サイプレス、キエノ、ツキ、ヨシノはいずれも【精霊魔法・中伝】に達し、フジ山の精霊殿などで鍛錬を積み重ねていた。

また、スリーズも【精霊魔法・初伝】に達し、今はコウヤ山の大精霊クウカイの元で修行中だ。


サイプレス達4人が未だ【精霊魔法・奥伝】に到達できないのは、大きな功績を成し遂げていないからだ。

大精霊カグヤによると、歴史に残るような功績を成し遂げることによって、魂の器が【精霊魔法・奥伝】の習得に相応しい大きさに成長するのだという。


不十分な大きさの魂に【精霊魔法・奥伝】を詰め込んでしまうと、魂の強度が足りずに廃人となる可能性がある。

それを防ぐために、第七位階魔法【精霊魔法】は、初伝、中伝、奥伝、皆伝、秘伝の5段階に分けられているのだそうだ。


一方僕はというと、【精霊魔法・奥伝】をすでに習得し、【精霊魔法・皆伝】に挑戦中である。


僕の魂の器は、瘴気に汚染されて気が狂ったフジ山のレッドドラゴンを浄化して王国に平和をもたらしたことで、【精霊魔法・奥伝】を授かるに相応しい大きさに成長していた。

さらに、王都襲撃事件を主体的に食い止めた功績が加算されているので、魂の器は十分に成長していた。

他のメンバーもチャンスがあれば功績を得て魂の器を成長させたいところだが、あいにくこの2年間は国家を揺るがすような大事件は発生していない。


僕が挑戦中の【精霊魔法・皆伝】を授かる条件については、チェリーリア王国の各地に散らばった7つの精霊殿を訪れ、それぞれの大精霊から御朱印を授かることで達成される。

まず僕はフジ山の大精霊カグヤに相談し、カグヤから許可が出るまで【精霊魔法】の修行をすることで、無事に御朱印をいただくことができた。


さらにその次はコウヤ山の大精霊クウカイを訪ね、クウカイとお手玉ゲームをして勝利することで無事に御朱印をゲットした。

ヤエ公爵から伝え聞いていた超強い必殺技についてはクウカイから概略を教えてもらったのだが、すぐに習得出来なさそうだし、魂の器をさらに大きくすることが重要だということなので、僕は残りの精霊殿を先に訪問することにした。


ちなみにスリーズはこの時僕と一緒にコウヤ山に登り、クウカイから【精霊魔法・初伝】を授かり、それ以降コウヤ山にて修行に励んでいる。

スリーズの祖母ヤエ公爵ゆかりの地でもあるので、彼女はクウカイに修行をつけてもらうことにこだわりがあったようだ。


さて、残る精霊殿は5つで、僕はそれぞれの大精霊と面会し、御朱印を授かるための条件を提示された。

その条件とは以下の通りである。


・ツクシ山の大精霊ミチザネ 

魔法学院か貴族学院に入学し、優秀な成績で卒業すること


・サカイ湾の大精霊エビス

商会を立ち上げ、王国でも指折りの大商会とすること


・コトヒラ山の大精霊スウトク

ギルドで冒険者登録して、Aランク冒険者になること


・オソレ山の大精霊イザナミ

イタコ組合に加入し、Aランク霊媒師になること


・不明

第七の精霊殿を僕はまだ発見できていない


以上のように、大精霊の試練はどれも一筋縄ではいかない難問だ。

単純に強くなればいいだけとか修行すればいいだけなら話は早いのだが、それでは魂の器はこれ以上大きくならないらしい。

ともかく、そんなこんなで僕は商会長兼冒険者兼霊媒師として活躍することを余儀なくされ、そして今日は魔法学院の入学試験の日だ。


魔法学院か貴族学院のどちらか一つを選べと言われたら、僕は間違いなく魔法学院が良いと答える。

何より魔法が好きで魔法士をやっているわけだし、まだまだ知らない魔法は数多くある。

すでに知っている魔法についても、意外な活用方法や応用があったりして、第一位階から第五位階の基礎的な魔法も奥が深い。


父の許可もすでに得られていることだし、僕は迷わず魔法学院に入学することに決めた。

しかし試験は平等に受ける必要があり、一切の優遇措置は認めてもらえない。

そんなことをすれば魂の器が成長せず、御朱印を授けてもらえなくなってしまう可能性があるからだ。


だから僕は、国王陛下やヤエ公爵にも事情を説明し、王家から圧力などは決してかけることのないように念を押していた。

あくまで平等公正に試験を受け、実力で優秀な成績をおさめる必要があるからだ。

だから、このような結果になることもまた、必然だったのである。


「ゼルコバ・リョーマイケル君。魔力容量が【極めて少ない】ので、ほぼ不合格とする。ただし、落ちこぼれのFクラスで庶民に混じって授業を受けることもいとわないというなら、入学を許可しよう」

「ぜひともFクラスで頑張らせてください……」


僕のクソ雑魚弱弱魔力容量は、精霊殿で精霊御膳をたらふく食べたにも関わらず、【極めて少ない】ままだった。

それもそのはず、僕の魔力容量は元々10しかなく、10倍の魔力容量を得た今現在でも100までしか成長しなかったからだ。

一般的には魔力容量100以下は魔力容量が【極めて少ない】落ちこぼれだ。

とても魔法士なんか目指すことは出来ないとされている。

その現実が、忘れかけていた僕の目の前に再び現れたのだった。


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