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第39話 愉快な仲間たち2

私たちはフライパン教が出資している警備会社に向かっている。


「カーショさんとは何を話していたんですか?」


「今後の展望についてです」


「具体的に教えてもらっていいですか?」


「長期的に考えて、注意した方が良い場所や、仕事が増えそうな場所についての話をしました」


「それ、クリーンな仕事ですか?」


「私が誰と会話していたか、分かってますよね?」


「ですよねー。警備会社って言ってましたけど何の会社ですか?」


「紛争地における警備の会社です」


「それ傭兵ですよね?」


「世間一般ではそのように呼ばれてますね」


「どうなってるんですか? 後ろ暗いことをし過ぎじゃないですか?」


「ちょっと取り立てが激しい、金融業ぐらいで後ろ暗いとは酷い言い様ですね」


「師匠、自分がさっき誰と会ってきたか思い出してから発言してください」


「そう言えば、手、大丈夫ですか?」


「解毒薬を飲んだので大丈夫だと思います。でも、何で私に毒を……」


「フライパン教、教祖の一番弟子は身に危険が及ぶこともありますからね。今回は軽い毒だったようですし、いい教訓になったのではないですか? 彼なりの優しさですよ」


「斬新な優しさですね。毒物はどう解釈しても優しさになりませんよ。ちなみにどんな毒だったんですか?」


「2日後に死に至る毒でしたかね?」


「確実に殺しに来てませんか? それも完全犯罪の方向ですよね?」


「くだらない話をしていたら着きました」


「私の命に係わる問題なんですけど」




大通りに面した大きい建物を見る。


「見た目は豪商の店って感じですね」


「別にやましいところはありませんから。では入りましょうか」


私は中に入り、受付に声をかける。


「どうも」


私の顔を見るなり、受付の人は大層驚いた表情をしていたが、次第に嬉しさが表情に現れていた。


「教祖様! ようこそお越しくださいました。社長をお呼びいたしますか?」


「結構です。私が直接向かいます。いつもの部屋ですね?」


「はい」


私は階段を上り、廊下を歩いて、二階にある社長室をの扉をノックする。


「私です」


私が声をかけると扉の向こうから驚いた声が聞こえる。


「教祖様! どうぞお入りください」


私は扉を開けて、中に入る。


「お久しぶりです」


「お久しぶりです。事前に教えて頂ければ、こちらから出向きましたのに」


「今日は弟子の顔を広げてもらおうと思いましてね」


「そうでしたか、どうぞお座りください。飲み物は如何しますか?」


「お茶でお願いします。イラリアもそれで良いですね?」


「はい」


社長は秘書に言い、お茶を用意させた。


「彼はアルド・グリッロです。こちらはイラリア、私の弟子です」


「アルド・グリッロ! 伝説の傭兵じゃないですか!!」


「ご存じでしたか?」


「アルド・グリッロのいる軍に負けなしって言われる無敗の傭兵ですよね?」


「そんな過度な名前がついてるんですか?」


「ありがたいことに。教祖様には一度も勝った、ためしがないのですけどね」


「え?」


「彼と私は教団の成立前からの付き合いでして、何度か組手というか実戦的な練習をしたこともあります」


「伝説の傭兵が師匠に勝ったことが無い? 師匠、チート過ぎませんか?」


「これは余談ですが、グリッロさんでしたら、勇者如きには後れを取らないと思います。というか、勇者が5分生き残れたら奇跡じゃないですか?」


「マジですか?」


「昔はそうですが、今は前線から離れていますから、相打ちがせいぜいでしょう」


「それは謙遜しすぎというものですよ」


「フライパン教、優秀な戦闘員や暗殺者が多すぎませんか?」


「サディスティックなマゾヒストが多くいますから。彼らは優秀な戦力となります」


「何ですか、サディスティックなマゾヒストって!」


「もう忘れたんですか? 鳥頭ですね。S値、M値の両方の値が高い人間のことですよ。M値が高いだけでは攻撃されることにしか喜びを見出さないので、使えません。S値が高いだけでは攻撃することに喜びを見出せますが、攻撃されると急激にやる気を失います。この両方が高いことで、攻撃することに喜びを見出し、攻撃を受けることすら喜びを見出す最強の狂戦士が出来上がります」


「これ以上はツッコミませんけど、師匠はM値が高いってことですか?」


「ふざけたことを言わないでください。ハンバーグにしますよ?」


「やめてください」


「私の場合はS値が極限まで高まっているので、攻撃されると怒りでパワーアップします。そもそも、私にダメージを与えられる存在がほとんどいません。私はかすり傷でもブチギレます」


「何でもありなんですね」


「ありがとうございます」


「褒めてません」


「では、そろそろ真面目な話をしないといけないですね。イラリア、席を外してもらっていいですか?」


「え、またですか?」


「はい」


イラリアは半ば蔑むような眼をして、席を離れた。

私はグリッロさんといろいろなお話をして、商館を後にした。

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