第22話 ご気分は如何ですか?
敵拠点はスケルトンが弓を構えて厳重な警備をしていた。
城壁の上にいるスケルトンが弓を構えている。
弓の斉射が来る。
私は速度を上げ、城壁に接近して、フライパンで城壁を破壊する。
足場が崩れたことで、何体かのスケルトンは埋まったようだが、一部は残ったようだ。
私は地面を蹴り、残った城壁に着地する。
正面には5体、背後に3体。
正面にいるスケルトンを殴打して、城壁から落とす。
背後からの矢を避け、再び、正面のスケルトンを殴打して落とす。
避けては落とすを繰り返して、正面をの敵は排除した。
背後の敵は味方の魔法で爆ぜた。
私は周囲に敵がいないことを確認して、魔力が強く反応する場所へ向かう。
近くにいるアンデッドはもちろん始末する。
4体のグールの集団を前方に発見した。
あちらもこっちに気付いたようだ。
私はグールの頭部をフライパンで殴る。
すると、グールの首が胴体から離れた。
おそらく、肉体が軟らかいため、私のフライパン捌きに耐えられなかったのだろう。
グールの手が迫る。
私はのけ反って避け、起き上がると同時にフライパンで頭部を殴る。
私のスピードについていけていない残りの2体の頭部も殴って、胴体と切り離す。
4体は頭部と胴体が切り離されたことにより、無力化された。
頭部が無ければ。敵を感知できない。
頭の無い、グールの体はもぞもぞと動いているが、立ち上がることすらできていない。
私は無意味な動きを続けるグールを見届けて、この場を後にする。
不気味な洋館が目の前にある。
ここがヴァンパイアのいる場所か?
私は壁を破壊して、中に入る。
よく見たら、もう少し移動すれば、入り口があったが、穴が開いたらそこが入り口みたいなものだ。
地下から強い魔力反応がする。
しばらく歩くと強い魔力反応が真下にある。
フライパンを床にたたきつけ、床を破壊する。
床の崩壊に巻き込まれたくないので、私は無事そうな床にジャンプして移動する。
床が崩れ、地下室が見えた。
「うぉっ」
がれきの下から声がした気がする。
私は飛び降り、地下室の床に着地する。
がれきが動き、音を立てて崩れた。
がれきが崩れた場所からは手が突き出てる。
手をつきだした何者かが魔法を発動させるとがれきが木っ端みじんになり、周囲に飛んでいった。
私に直撃する大きいがれきのみフライパンで防いだ。
がれきが消えると美形な印象を受けるヴァンパイアが立っていた。
「やい、テメェどうなっt……」
男は何かしらの声を発しながらフライパンにビンタされた。
無事だった地下室の壁はヴァンパイアの衝突により見るも無残な様子になっている。
私は崩れた壁に埋まっているヴァンパイアを取り出し、地上に運んだ。
どうやら、気絶しているようだ。
普段の私なら、このまま止めを刺すが、不死者の代表格であるヴァンパイアは通常の攻撃では死なない。
グールのように首と胴体を分離させれば、無力化とはならない。
ヴァンパイアは首を探して胴体が旅をするということすらあり得る。
オークキングがどかどかと足音を立てて、私のそばによる。
「うるさいです。もっと静かにこれませんか? 足、斬り落としますよ」
「すみません。手に持っているのは……」
「ヴァンパイアです。今から拷問します。それより、アンデッドの生き残りはどうですか?」
「現在、戦闘中です」
「皆殺しにしてください。グールは首と胴体を切り離したら穴に入れて焼いてください。スケルトンは粉々にしていただければ結構です」
「了解しました」
「そうだ。この洋館を私の家とするのでコボルトの方々を呼んでください」
「戦闘中ですが、問題ないでしょうか?」
「残党アンデッドにやられるカスのことなど知りません。私の仲間は強いんですよ」
「了解しました」
オークキングが一礼して、走り去った。
やはりどかどかうるさかった。
今度、体を軽くしてやろう。
気付いたら、外が静かになっていた。
「師匠、サディスティックなのは結構ですけど、その愛情表現はどうなのかと思います」
「このヴァンパイアに私が愛情を抱いてると思いますか?」
ヴァンパイアは猿轡と目隠しを施され、椅子に拘束されている。
「既に悲惨なことになってるんですけど、何したんですか? そのヴァンパイアに」
「フライパンで殴打し続けています」
「何で殺してあげないんですか?」
「殺すためにしているんですよ」
「え?」
「ヴァンパイアは浄化魔法もしくは、肉体ないしは魂が消滅するレベルの魔法を使わなければ、死にません。私にはそのような魔法は使えません。であれば、このヴァンパイアをどうやって殺すか、分かりますね?」
「いや、分かりません」
「このフライパンには浄化の機能があります。しかし、ここまで強いヴァンパイアの浄化は難しいので、殴り続けることで、ブレイクアンドビルドを休む暇なく続けます」
「野蛮ですね」
「それをこのヴァンパイアの心が死ぬまで続けます。精神が死ぬと再生能力を失います」
「悪魔ですか?」
「そうですか? とりあえずヴァンパイアさんの状態を確かめましょう」
私は目隠しを外し、猿轡も取る。
「ご気分は如何ですか?」
「テm」
私はフライパンで頭部を殴った。
ヴァンパイアは言葉を発する前に気絶した。
「今、何か言おうとしてましたよね?」
「まだ、心が死んでないようなので、続けます」
私はフライパン神への思いを込めて、彼を殴り続けた。
一か月後、ヴァンパイアはうめき声をあげることしかできなくなった。
「おめでとう。解放です」
私は全力で殴った。
ヴァンパイアは生命活動を停止したようだった。
「師匠、治安当局に捕まる前に自首しましょう」
「私は法律に違反することはしてません。なので、自首しても捕まりません。それに、してたとしても賄賂と脅しを屈指して逃げます」
「教祖って言うよりも犯罪組織のボスですね」
「私ほど善行を積んだ人間を発見するのは難しいですよ?」
「師匠、先ほどまでの自分の行いを顧みてから言ってください」
「でも、魔物の浄化は善行に入りますよ?」
「結果だけでなく過程も見てほしいです」




