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60点だった俺のカンスト人生〜底辺レベル1のアラサー社畜、超難関ゲートに落ちて神竜を簒奪(オーバーライト)したら世界最強になっていた〜  作者: kiro


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限界突破(ブラック化)と、伝説のフリーランス召喚


ドゴォォォォォォォンッッ!!


さいたま新都心の上空に、巨大な魔法陣が展開され、雷鳴が轟く。


その魔法陣から舞い降りたのは――豪奢な漆黒のドレスに身を包み、背中に黄金の竜の翼を生やした、絶世の美貌を持つ『少女』だった。


透き通るような白い肌に、すべてを見透かすような真紅の瞳。


彼女の頭上には、レベルの代わりにこう記されていた。

【神話級・怠惰の魔竜姫:バハムート】。


システムが創り出したモンスターではなく、システムのさらに外側から召喚された「伝説のバグ」そのものだった。


「……ふぁぁ。全く、気持ちよく寝てたのに。どこのバカよ、私をこんな安っぽい契約マナで呼び出したのは」


魔竜姫バハムートは、可愛らしいあくびをしながら周囲を見渡した。


「ハハハッ! や、やったぞ……! 伝説級の召喚だ!!」

瀕死の九条が血を吐きながら叫ぶ。


「おい、そこの女! 俺がお前の雇い主(社長)だ! さっさとあの監査官のバケモノを殺せ!!」


だが、バハムートは冷ややかな目で九条を見下ろした。

「は? あんたみたいな死にかけの貧乏人が、私に命令? ……寝言は寝て言いなさいよ。あんたが担保にした経験値と寿命(資金)じゃ、私を『この世界に具現化させる』だけで全額使い切ってるわよ」


「な、なんだと……!? ふざけるな、俺の命令が聞けねぇのか!!」


「私は『フリーランス』なの。資金マナのないクライアントの仕事は受けない主義よ」


バハムートが指先を軽く振ると、見えざる重圧が九条を押し潰し、彼は白目を剥いて完全に気絶(沈黙)した。


『――未知のエラー存在を検知。排除します』


そこへ、九条を無視してレベル9500の監査官がバハムートへと襲いかかる。


「あー、うるさいわね。少し静かにしてて」


バハムートが面倒くさそうに手をかざした、その瞬間。

ピタッ、と。


監査官の動きが、空間ごと『静止』した。


「固有スキル――【事象の買収イベント・テイクオーバー】」


バハムートがそう呟いた瞬間、監査官が放とうとしていた超高熱のプラズマエネルギーが、瞬時に『バハムートの手の中』へと移動(所有権が移転)した。


そして、そのエネルギーはそのまま監査官の頭部へと叩き込まれ、レベル9500の圧倒的強者が、一瞬にして自らの力で消し飛ばされてしまった。


「……【事象の買収】か。敵の『攻撃』や『行動』というイベントそのものを、対価マナを払って強制的に買い取り、自分のものにするスキル。……なるほど、とんでもないチート(不正会計)だな」


「え……?」


バハムートが振り返る。


そこには、いつの間にか『漆黒のオーダースーツ』を纏い、ポケットに手を突っ込んだまま立つ男――朝倉健人がいた。


背後には、しずく、ミレイ、灰原、ルミの【朝倉商事】の面々が揃っている。


「なんだ、あんたたちは。……ふぅん?」


バハムートの真紅の瞳が、健人の胸の奥――『神竜のコア(特異点)』を捉え、妖しく細められた。


「……驚いた。あんた、ただの人間じゃないわね。私を呼び出したあの貧乏人とは比べ物にならない、とんでもない莫大な『資産(マナの源泉)』を隠し持ってる」


バハムートがペロリと唇を舐める。


「いいわ。少し運動してあげる。あんたのその莫大な資産マナ、私のスキルで全部『買収』してあげるわ!」


バハムートが翼を広げ、健人に向かって飛翔する。

その速度は、音速を遥かに超えていた。彼女の拳が健人の顔面に迫る。


「危ない、社長!!」


しずくが叫ぶ。だが、健人は避けない。

ガキィィィィンッッ!!


バハムートの神話級の一撃を、健人は『素手(オーダースーツの袖)』でガッチリと受け止めていた。


「……ほう。俺のスーツの防御を抜いて、腕に振動を伝えてくるとはな。大したスペックだ」


健人は平然と笑う。


「なっ……私の全力パンチを、素手で……!?」


バハムートが驚愕に目を見開く。


「お前、フリーランスなんだろう?」


健人はバハムートの拳を掴んだまま、不敵な笑みを浮かべた。


「なら、俺の会社(朝倉商事)に来い。お前のその燃費の悪いチートスキル、俺の『無限の経費(神竜の魔力)』と組み合わせれば、この狂ったシステム(本社)を倒産させる最強の【CFO(最高財務責任者)】になれるぞ」


「……ふふっ。面白いこと言うじゃない、スーツの男」

バハムートは健人の拘束を力ずくで振り解き、空中に距離を取った。


「いいわ! あんたが私を雇う(飼い慣らす)だけの『器』があるか、この私【神話級のフリーランス】が直々に面接テストしてあげる!!」


インフレを極めた特S級ダンジョンの入り口で。


システムを破壊する平社員(特異点)と、すべてを買収する伝説の魔竜バグによる、次元を超えた『最強の採用面接(トップ会談)』が幕を開けた。

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