第090話 甘くない戦い 夢衣VS音橋
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「つぎー、 大柏 対 音橋 。準備をしてくれー。」
夢衣の番になったようだ。
音橋の実力は少し知っている。中間試験の時は一緒に、期末試験の時は相手として対戦したことがある。
だから言えることは夢衣にとっては難しい戦いになると思っている。
距離を詰めると攻撃が効く可能性も高くなるし、離れていると夢衣にとっては不利が続く。
「よろしくお願いします大柏さん。大柏さん強いので一切油断しませんからね。」
「よろしくねぇー音橋ちゃん。むぅーからしたら音橋ちゃんの能力の方が厄介だよぉー。」
俺は遠くからだから見えていないがかなりバチバチの挨拶が交わされているようだ。
「それでは両者位置についたようだな。試合スタート。」
始まりの合図。
開始直後の動きには注目しておきたい。
それによってどう戦闘したいのかが少し分かるからな。
夢衣はもちろん距離を詰めようとしている。
決闘を経験した成果なのか、お菓子を食べなくても近接戦闘は強い。
それに比べて、音橋には近接の攻撃手段がないはずだからな。
そう思っていたのだが、意外にも音橋からも距離を詰める。
「私の弱点が近距離なのは分かっています。それで近距離が得意な大柏さんと対戦するならもちろん避けては通れない。それなら私は逃げません。策はいくつも用意してありますから。」
「悪いけどいくつ策を用意してきてもそれを超えて勝つのぉー。そうやってここまできたから。”魔法のお菓子 アップルキャンディ”」
飴を食べたようだが、いつもと味は違うようだな。
あのお菓子はいくつも種類を作りやすいので他にもあると思っていいだろう。
夢衣から重たい一撃が繰り出される。
音橋はかなり近くまで詰めていたので直撃してもおかしくない。
「夏休み明けってみんなイメチェンするっていうけど。あれは嘘ですね。みんな新技を持ってくるのが正解みたいです。”七色の音色 バランスアウト”」
「えっ!?」
急に体勢を崩す夢衣。
これが音橋の能力の恐ろしさだ。
彼女の能力は目に見えるダメージを与えるだけではなく、状態異常を引き起こす音も数多くある。
それは夢衣自身も分かっているはずだろう。
そのままでは攻撃をもらってしまうのですぐに体勢を立て直す夢衣。
しかし、相手に時間を与えないためにも再び攻撃を始める。
「むぅーは何回も得意な近距離戦で負ける訳にはいかいよぉー。”魔法のお菓子 ケーキ”」
赤いオーラを纏い身体を強化する技。
これよりも強くなれる技もあるがそちらはエネルギーの消費が激しいのだろう。
「それはまずいので動かないでもらいたいです。”七色の音色 スタンメドレー”」
これは聞いてしまえば身体が硬直してしまう汎用性の高い技。
この距離で喰らってしまえば確実に動けないだろう。
「無理矢理にでも動くに決まってるよぉー。それくらい今までの山場に比べたらどうってことないもん。」
一瞬硬直したようにも見えた夢衣だったが、なんとすぐに動き出すことができている。
これには音橋も驚いたようで攻守が入れ替わってしまう。
夢衣にとってはこのチャンスを逃したくはないはず。
「なんで動くことが出来てるのズルいよ。でも、これは聞こえるとか聞こえないとか関係ないからね。”七色の音色 メロディーショック”」
「こっちの新技も見せてあげるからちょーっと覚悟してねぇー。”魔法のお菓子 プリン”」
あれも見たことのない技だ。
プリンの効果はどうやら柔軟な身のこなしのようだ。
”メロディーショック”を簡単に避けつつ音橋に攻撃を当たるところまで詰める。
「もう1回動けなくなるようにするまでです。”七色の音色 バランスアウト”」
「・・・?何かしてるみたいだけどさっきのタイミングで耳栓つけたから聞こえないよ。音橋ちゃんと戦うってなったら用意しておくのは当たり前だよね。」
音橋がこちらの方を睨んでいたような気がするな。
悪いが俺から持っていけと言って渡した訳ではない。夢衣本人から依頼されて作ったまでだからな。
夢衣の攻撃はしっかりと音橋に当たる。
やはり、対策をされてしまうと有効打がなくなるのが音橋にとって致命傷だろうな。
これの解決策があるかどうかでこの勝負が大きく変わってくるな。
「なかなか良いパンチをもらいましたよ。なるほど、耳を塞がれたら。ここから頼れるのは自分自身の力だけってことですね。いいですよ、シンプルな力と力のぶつかり合いしましょう。”七色の音色 スタンドアップミュージック”」
ポケットから取り出したイヤホンを装着する音橋。
もしかするとこれは自己暗示のようなものかもしれないな。
自分に身体能力を強化するような音を聞いているのかもしれない。
「なるほどねぇー。多分、これで決着をつけようってことなのかなぁー。それなら最後の力振り絞らせれもらうねぇー。”魔法のお菓子 ラブ・チョコレート”」
こちらも一気に勝負に出る技だ。
そこにあるのはシンプルな力のぶつかり合い。
罠や小細工などは一切感じられない。
頑張れよ夢衣。
俺は、心の中で応援することしかできない。
「そこまで!勝者 大柏 夢衣 。」
決着は着いた。勝ったのは夢衣だったようだ。
疲労困憊でこちらに戻ってくる夢衣に俺と銀丸で労いの言葉を掛ける。
「最後よく頑張ったな。どちらが勝ってもおかしくなかったのに。」
「そうでござるよ!かなり盛り上がった試合でござった!」
「最後ねぇー2人がそばで応援してくれているような気がして力が湧いてきちゃったよぉー。」
どうやら俺たちの心の中の応援は夢衣にしっかりと伝わっていたようだ。
それに3人とも勝ち星から2学期を始めることが出来た。
これほどまでに嬉しいことはないだろう。
「それにしても夏休みの最後の1週間。2人とも都合が悪いらしかったけど、新技の特訓してたんだな。」
「それを言うなのは拙者の方でござるよ。せっかくビックリさせようと思ったのに2人とも1週間の間でこんなに成長しているでござるからな。」
「考えることは同じだったみたいだねぇー。まぁ、2人に置いていかれるのだけは嫌だからね。友達でもあるけどライバルでもあるからぁー。」
友達でありながらライバルでもある。
学園にいることによって生み出される最高の関係性とも言える。
2学期も多くの人と出会い、様々な経験をするだろう。
その経験が俺を強くするのは言うまでもない。
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次回は、明日投稿予定です。
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