それはきっと土産だった。
全三話構成です。 今日中に投稿します。
この世には善と悪がある。それは変えようのない事実で変えようとしない人間で溢れている。
そしてこの世界【あるフィード】でも、善【勇者】と悪【魔王】の二つの勢力が今も火花を散らしている。
そしてそれ以外の勢力が見ない振りをして下を向いていた。
だがだ。もしも…他の勢力が静観しているのでは無く、他の勢力に従っているとしたら?
これはそんなお話。
???「いかんな、魔王と勇者の争いが始まる。このままでは世界の王が決まってしまう。なぜ我が主は動かない?」
???「主には主の考え方があるのでしょう。我々の思う所ではありません。我々が例え【一夜で勇者も魔王も滅ぼせる戦力】を持とうと主の命令に遵守なのですから」
???「そうか…では主は何を? 今も作戦会議か?」
???「芋堀です」
???「は?」
???「ですから芋堀です」
~アルフィード国際学校~
「ほらどんどんほれー 焼き芋が食えないぞー」
はいはい、分かってますよ。全くなんでこんなことを、あっどうも主人公のストロ・ガノフです。
はい、これが俺のプロフィールね、暇な時でいいから見てみてね、さて今俺はこの学校の生徒として通っている。
文字通り、将来安定した職業につくため! ん? 上の文はなんだったの?って、何それ、誰かと勘違いしてない?
芋堀も終わったし、寮に帰りますか。焼き芋は食えなかったが仕方あるまい、補習が大量に残っているからな。
さて補習を──────
「主様、お伝えしなければいけないことが」
「……誰?」
いやほんとに誰? 知らんし、不審者じゃない? あの誰か追い払って───────
「あぁ申し訳ありません。合言葉が先でしたね。【世界を総べる一つの王】」
は? 何て────何? いきなり眠気が……まずい意識が無く…なる。
役者交代だ。昼の主役がストロなら、夜の役者はこの男、ストロから生まれたもう一つの人格。名を─────
「あぁ、懐かしいなこの世界も、久しぶりだなミューズ」
「はい、二日ぶりの現世ですね、お元気そうで嬉しいです」
───という訳だ。ここからは俺が主役。さて美しい満月を片手にワインを楽しみたい所だが……
「それで何しに来た? 我の手を借りるとは余程の騒ぎか?」
「それは…ここに、主様の命を狙った暗殺者が向かってきています、今すぐご避難を────」
「必要ない! 全て我が殺せばいいだけの事だ」
そうこの に任せれば全て終わる。目的はそう───今は無いがいずれ見つかるはずだ。
ミューズは帰らせてよいか、ん? いや待てこっちの方が都合がいいな──────
「では、私はこれで」
「いや待てミューズよ。確かに暗殺者は我だけで事足りる。だが、それ以上の敵がこの部屋には存在しているのだ。そこにある課題、我はこの世の叡智を統べるもの。必要あると思うか?」
(意訳:宿題が面倒なのでやってください)
「確かに、これは…主様には不要ですね。私でも五分かかりません。分かりました、この課題を片付ければよろしいのですね?」
そういう事だ。我にはよく分からん、勉強は昼に任せているからな。我は昼が得た知識を適当に使うだけだ。
今日は確か魔力の発動の仕方を学んでいたかな?丁度いい、使ってみるか。
~学園外~
「おい、早く来い。今回の敵は一人、なのにあれだけの報酬だ。美味しい以外の言葉がねぇぞ! 横取りされる前に早く────」
「早く、何をするのだ?」
盗賊の前に登場だ。よくあるパターンだな、強すぎる者を弱者は感じることすらできないか……期待はずれだな、我が行かずミューズに任せればよかったか? いやそれだと課題を我がやる羽目に、どっちもどっちか。
さてでは復習をするか、魔力の放出の勉強だ。心臓に力を入れて身体中から放出するんだっけか?
「おい、雑魚盗賊。一つだけ言っておく─────」
「あぁ!? てめぇら! 鴨が葱を背負って来たぞ! やっちまえ!」
「───そうだ、かかって来い。そして……せめて一人は耐えろよ?」
我が魔力を放出する。赤黒い魔力が森中に広がる。それに当たった盗賊から倒れていく。一人…二人と倒れて行った。
残ったのは……
「やはり、生き残ったのはお前だけだったか。頭目よ。身の程を知れ、金欲しさに甘い汁をすすろうとした浅慮が招いた罰だ。受け入れろ」
「……何が起きた。何故、俺以外の仲間が……親もいない、俺の家族みたいな奴らだったんだぞ?」
「……そうか、だからどうした? 同情も哀れみも何も無い、ただ惨たらしく死ね。痴れ者が、部を弁えろ」
手刀で頭目の首を落とした。
その後、意外にもこいつらは、そこそこ名があったようで服などに大量のお宝があった。余さず持っていきたいが、昼がこれを見たら困惑するか。仕方ない帰るか、ミューズも課題が終わってるといいが。
「ご主人様、課題、そして部屋の片付け等終わらせておきました」
「うむ、ご苦労だ」
ミューズは謙遜しているな、だが実際ありがたい。昼は全く片付けができない、それこそ病気レベルにな。
我が片付けるなど以ての外、それは下僕のやることだ。
「ではご主人様、私はこれで────」
「待て、少しまだ時間があるだろう? 話をしないか?」
「──話ですか? どのような」
「窓を見ろ、よくできた満月だ。【お前と出会った時】もこんな時じゃなかったか? あの時のお前と来たら、頼りなさ過ぎて笑えもしなかったな」
「……もう、やめてください。もう私はあの時の弱い自分じゃありません。ですが、そうですね。あの日もこの様な美しい月が出ていました。思えばあれが運命だったのですね」
そうだな、これから語るのは少し色あせた、古い紙のように色ぼける甘い記憶だ。
「…貴方は……誰ですか?」
「誰…か。世界を総べる者、いやヒーローと名乗っておこうか? 我の手を取れ、話はそこからだ」
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そうすると魔王のやる気が上がります。