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・・・なるほど。


・・・どうやらそれは、間違い・・・というか勘違いというか、

とにかく意図とは違っていたという他にありません。

みんなが見ていたのは、興味を注いでいたのは、

僕の作った製作物でもなく、ましてや僕自身でもなく、

そこに登場するキャラクター・・・、いえ「人物」です。

架空の存在のくせに、立派な人格をもった人物。

彼女がいなければ、いまの僕の立場はなかったということです。

僕をここまで引き上げてくれたのはその「人物」だったということ。

例えようのない影響力と存在感。

多くの人の人生に、多少の差こそあれ影響を与えたでしょう。


いま、ようやく気がつきました。

嫉妬の対象が誰かと言う事を。



色々なメディアで取り上げられる度に、次々と新しいファンを獲得し、

存在感を増してゆく。みんながミクを肯定しました。

そしてみんなに愛されていきました。

僕はその姿と存在に羨望と、そして憎しみも含んでいたようです。


シンプルな話だったようです。

僕の、強く醜い承認欲求や自己顕示欲は、

決壊したダムが吐き出す、濁った水の奔流のようでした。

ボカロ界隈を欲望のままに汚して、満足しようとしていただけ。


僕が望んだのは、ミクを独占する事ではなく、

僕がミクそのものになりたかったようです。

ミクのようにみんなに知られ、そして愛でられたかった。


僕はミク自身に、憧れと、そして嫉妬という醜い感情を向けていたようです。


普通じゃないかもしれませんが、それほど可笑しな事とも思えません。

ミクに関するニュースに触れた時、

ミクの認知度が上がっていく度に、

あなたの中にも、なんとも言いようがない

複雑な気分が頭をもたげること。

どこか遠くにいってしまうような不安。

それには少なからずの羨望と嫉妬が含まれているはずです。

「自分が一番の理解者なのに」という感情は、

それほど異常なものとは思えません。

そして僕は、それがほんのちょっと強く飛躍して、

ほんのちょっと「変質」していたのでしょう。


そう、それだけのはずです。


それだけ・・・。


他のみんなと同じように、僕もミクを愛しているはずです・・・。


あぁぁ・・・。僕も普通に愛したかった・・・。





つづく

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