-25-
みんなが僕と彼女の関係性に、下衆な詮索をいれました。
しかし、僕が与えた極最小限の情報だけではどうしようもありません。
そのどれもが真実から遠いものでした。
みんなが嫉妬しているのがわかります。
僕だけが、ミクと同一視された少女の真相を独占しているのです。
ネット上での話題の動きが面白くて仕方ありません。
かつてない高揚感でした。
数知れない多くのファンの中でただ一人、
ボカロ界隈の話題を進行形で席巻する少女のすべてを、
この僕だけが把握しているのです。
神に触れる事ができる、唯一の人間です。
そう、これです。
僕がずっと求めていた征服感。
僕は彼女を、ミクと等しく扱われる存在である彼女を
だれのものでもなく、自分だけのもにする事が叶ったといえます。
みんなが認めようが、認めまいが、その事実を知らしめる事が出来ました。
心が、暖かく満ち足りて行くのがわかります。
身体中を駆け巡る、信じられないくらいの多幸感。
ようやくこの日を迎えることができたのです。
ようやく・・・ようやく・・・ようやく・・・
ようやく・・・ようやく・・・ようやく・・・
ようやく・・・・・・・
※
・・・そうだ、大切な仕事が残っていました。
自分自身で終わりが肝要だと言ったのに。
この状況を確実に、そして永遠に保つための最後のステップ。
約束の一週間はもうすぐです。
よく大人しくしていてくれました。
そろそろ彼女に会いに行かなくてはなりません
僕と彼女の不安の種を取り除かなくてはなりません。
これが最後です。素直に協力してくれる事を期待します。
僕はあなたの創造に全てを捧げました。
お金や時間は当然の事ながら、
それ以外の計り知る事ができない様々なものだって。
だから、あなたも僕に全てを委ねて下さい。
そうすればあなたも、ずっと輝き続けることができます。
だから、早く彼女に会いに行かなくてはなりません。
この状況を揺るがしかねない危険因子を潰しておくのです。
二人のために。
つづく




