思い出
リコは移動中の車の片隅でバールを持ったまま、こっちを睨みつけている。人間不審の人には会ったことはないし、どう対処すればいいのかわからない。
・・・と言うか最早、友達の作り方さえ忘れちゃったんだよなぁ。
とりあえずできることは、本人を尊重して過度に干渉しすぎないことだ。本人に無理に接触してもっと閉じこもってしまってもいけない。
「あの...」
「何?」
俺が何か口にしようとした瞬間に言葉を被せて睨みつけ、話しかけるなと言う圧を放っている。
どうここから絆そうかと考えていると、不意にタイシが立ち上がった。
「いいか。別に仲良くしようぜとは言わねぇけど、雰囲気を悪くしたり邪魔をすることはするんじゃねぇぞ。せめてお互いのソレは保ってくれや。
まぁ俺らはお前が協力して欲しいって言うんならいつでもしてやってもいいけどよ。」
タイシなりに気を遣ったんだろうか。
俺みたいに下手に出れば舐められただろうし、もしかしたらこれが正解かもしれない。
「ふざけないで。私が助けを求めるのは父さんだけ。
アンタらなんか協力するような力もないくせに!」
言い終わるや否や、リコの拳がタイシ目掛けて振り下ろされた。
タイシは冷静にソレを受け止めて、リコを見つめた。
タイシってアレで意外と大人なんだよな。
自分の渾身の一撃だったのかソレを受け止められてリコは苦い顔をし、その後何度もタイシに殴りかかった。しかし、ソレがタイシに届く事はなかった。
そんな二人を置いて、俺ら四人は車の前の方に避難し、彼女への今後についてクニヤさんも交えて話し合った。
それが終わり、後ろの方を見返してみれば
リコは暴れ疲れて寝てしまったようだ。
「ははっ、あれだけ暴れた割にそんな奴らの前で寝れるんだな。
お前ら、結構信頼されてるよ。」
警戒してる奴の前でだったら寝れないもんな。
ひとまずある程度の信用は稼げたみたいでよかった。
そうだ。一つクニヤさんに聞きたかった事があるんだった。
「なんかリコって名前、中央国出身っぽい名前ですけど、関係とかあるんですか?」
「ああ。そのことか。
確かに名前は中央国を意識してつけたさ。
俺も元々中央国出身だし、中央国で育つ事がこの子にとっての幸せだと思ってたからな。
まぁ、もう叶わないし今更そうも思ってないんだが。」
そう、クニヤさんは語った。
「そう言えば次の目的地の詳細とか分かるんですか?
「ちなみに次の国は委員会の組織がない国だ。
だから俺も国の内情はしらん。
ただ、郊外にこんだけ広大なスラムができる国だ。
何となくは察すことはできるだろ?」
次の国についてヤワラがリュウさんにきくとそんな返答が帰ってきた。
暫く走って行くと、街の外れにも関わらずスラムの住人が道を塞いでいた。
しかも、ちょうど次の国に行くためには、通らなければならない道だった
「俺が交渉しよう」
リュウさんが説得してくれるらしい
「この道を通りたいんだが...」
「ああ?こっから先には誰にも通らせるなって
ボスから命令がきてんだよ
失せな、でもなきゃ、やるか?」
相手はここを簡単に通す気は無さそうだ
「ああ、いいぞ。その方が話がはやい。
みんな人数多いから手伝ってくれ。」
リュウさんは武器を構える
「なんでそうなった?」
交渉してくれ交渉を




