婚約破棄ぐらいさせてよ!
町のはずれにあるまるで城のような建物
そこである話し合いが行われていた。
「では今回の件はよろしくお願いいたします
こんな息子ですが根はいい奴なので」
「分かっているよ茂木殿、これでお互い良い
財政面での利益が期待できるな」
二人の男性は堅い握手を交わした茂木五郎の隣には満足げな顔をする息子レオン、
五郎と握手を交わす高城英一朗の隣には不満げな面持ちで握手を見る娘、愛里紗がいた
これってどうゆうこと!?と私は部屋の中で思っていた。いきなりパパに呼ばれたと思ったら対してかっこよくない茂木製薬の御曹司
もいるし.....
しかもパパから聞いた話だと、どうやら私勝手にあのレオンとかいう人と婚約予定結ばれちゃってるみたいだし私、結婚する気さらさらないのに!
いきなり婚約の予定を立てられてしまった私
高城愛里紗はここに誓います
婚約破棄を絶対にする!
パパには申し訳ないと思ったが自分の意思で結婚とかを決めたい私はそんな束縛されながら結婚とかをするのは耐えられなかった。
さっそく私は行動をすべく自分の部屋から廊下へと出た。廊下には正装をして歩き回る
高城家の家臣たちがいた。今日はどうやら何かイベントがあるみたいだった。
「婚約破棄ってどんな感じにするんだろう?
ドラマみたいに私は認めませんからねっ!とか決めゼリフ言うのかな?」
愛里紗には婚約破棄という物がいまいち分からなかったどのような手順で行うのか名前からすれば破棄すればいいだけの話に思えてくるが案外難しかった。
それに愛里紗の父五郎がかなり怖いということも彼女を悩ませる原因になっていた。
「まずは太郎に相談してみるかな」
私はいつも面倒を見てくれる執事の馬場太郎に相談する事にした。
長い廊下を右に向かって歩いて行き階段を下りていくと広間へと私は着いた。広間では太郎が床やカーペットの掃除をしていた
太郎は私に気付くと掃除をやめてこちらにゆっくりと歩いてきた。
「お嬢様何かご用ですか?」
太郎の手にはホコリやらなんやらがたくさん付いていた。私は気になったので
「まずはその手を洗ってきてよ」
「かしこまりました。」
太郎は広間の横にある洗面所で手を洗うとハンカチで拭き私の話を聞く
「相談なんだけど私なんか勝手に婚約させられちゃったのよで、婚約破棄をしようと思うんだけど方法がわからなくて....」
太郎は私を手招きして呼ぶと耳元で小さく呟いた
「はっきりと婚約は嫌だ!とおっしゃれば良いのですよそうすればなんとかなるはずです頑張ってくださいお嬢様」
「ありがとう頑張ってみる」
私は助言を聞き社長室で職務をしているパパの元へと急ぎ足で向かっていった。
コンコン、ドアをノックすると中からは
パパはパソコンでどこかの会社とビデオ対談しているようだった。
ここまで勢いで婚約破棄の申し込みをしに来たのにここで諦めるわけにはいかないよね。
「パパちょっと話があるんだけどいい?」
「なんだ愛里紗?もう挙式の日程は決まっているがまだ用があるのか?」
英一朗はビデオ対談を終了するとイスから立ち上がり愛里紗が立っているそばのソファーに座り足を組んだ
愛里紗は頬から少し汗を流しつつも深呼吸をして話を始めた
「私、レオンさんと結婚する気はさらさらないからね?自分の事は自分で決める。いつまでもパパの道具じゃないからね!?」
「まだそんな寝ぼけた事を言っているのか?
茂木製薬とは経済パートナーとしてこれからやっていくと我が社には何十億もの利益が入るそうすれば今やっているインターネット事業がさらに発展できるんだ」
英一朗は愛里紗の言葉に耳を傾けようともしなかった英一朗には愛里紗は自分の会社を良くするための道具としか思っていなかったのだ。
自分の娘を道具としか見ていない。それは愛情が消え会社の利益しか見ていない。そんな事はあってはならないと思う。愛里紗には自分の親が憎く見えていた。
「私だって、、、結婚とかよくわからないしいきなり決めたりされても、、」
その時社長室のドアが開いた。
入ってきたのはさっきまでの優しい顔とは違い鬼の形相で愛里紗の元へと向かってくる茂木製薬の御曹司レオンだった。
「レオンさんなぜここに?」
「さっきの話聞いていたよ僕との結婚はできない?ふざけた事を言わないで欲しいね。君と僕の婚約は決まっている。だから諦めるんだな!」
レオンは愛里紗の腕を掴もうとした、愛里紗は危険を感じ、一歩下がるとレオンの横を走り抜けて
「私はあなたと結婚する気はありません。
他の人を探したらどうですか?」
愛里紗はレオンにこう言うと部屋のドアを思いっきり閉めて走り去っていった。
静まり帰った部屋では頭を抱える父英一朗と
何かブツブツ唱えているレオンがいる。
「すまないレオン君うちのバカ娘が君に失礼な事をした。許してくれ」
英一朗の話はレオンの耳には届いていなかったなぜならレオンは大きな怒りに震えているからだ欲しいものはなんでも手に入れてきた彼にとって自分を否定する愛里紗は攻撃対象になりつつあった。
「何としても手に入れてやる所詮、女が逃げるスピードなんて遅いものだ。俺から逃げられる訳がない。」
レオンは部屋から飛び出し愛里紗を追いかけたその頃愛里紗は廊下を歩いていた。
「全くなんなの?あの束縛男。あんな奴と結婚したら人生終わりね」
レオンの愚痴を言いながら歩く愛里紗の背後には息を切らしたレオンがいた。
「ふっ一生俺に逆らえないようにしてやるさ
そして俺の妻にならざるをえない状況に、、、、ふっ、、ははははは!」
レオンはよだれを垂らしながら静かに蛇が獲物を捕らえる時の如く愛里紗に近づいた。
愛里紗は気づいておらずビルのロビーへとたどり着いた。
「とりあえず気晴らしに外でも行くかな」
愛里紗は外でジュースでも買ってこようかと思いビルの外へと出た。
少し歩くと閑静な住宅街がえと着いた
近くに販売機があったのでコーヒーを一つ買い元来た道を戻ろうとすると目の前には
追いかけてきたレオンが睨みつけていた。
愛里紗は買ったコーヒーを地面に落とし
腰が抜け地面に座り込んでしまった
「なぜあなたがここに?」
愛里紗は震える声で聞くレオンはニヤニヤしながら少しずつ愛里紗に近づき
「お前は俺の妻になる女だ。それが嫌なら強制的に妻にしてやるよ!」
レオンは愛里紗の上に乗り愛里紗の服を破き始めた
愛里紗も必死に抵抗するが女子の力では男子にはかなわなかった。愛里紗はとうとう下着姿になってしまった。
「ははお楽しみはこれからだぜ」
「嫌だ、、誰か助けて!!」
レオンの手が愛里紗の胸へと伸びた
愛里紗は諦め無抵抗になっていた。
その時襲おうとするレオンの顔が歪み、吹っ飛ばされていった。愛里紗は自分に超能力が目覚めたのか?と勘違いしたがどうやらそうではないらしい様子だった。
立っていたのは殴った拳に息を吹きかけ痛がっている少年だった。少年は固まっている愛里紗を見ると
「大丈夫?」
と声をかけた。