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12話

誤字脱字等よろしくおねがいします。

 俺は今、東門を出て少し歩くとある森の入り口に来ている。このフィールドの適正レベルは18、俺のレベルはボス戦の時に14にレベルアップしたから少し難易度が高いだろう。だがの手には先ほど買った掘り出し物の点棒がある。こいつの攻撃力なら問題ないだろう。

 イベントリにマリオの店の手伝いの報酬として貰ったポーションがあるのを確認して俺は森の中に足を踏み入れた。


△ ▲ △ ▲


 この森の名前は《ゴブリンの森》というらしくその名前の通り、出てくるモンスターはゴブリン系のみだ。しかしゴブリンにも種類があり、剣で攻撃してくるソードゴブリンや魔法を使うウィザードゴブリンなどがいる。

 しかもこれらのゴブリンたちは3~6匹ほどのパーティを組んでいて連携をとってくるからソロでは少し難しいフィールドだといえる。

 今回は新しく買った武器の性能を確かめるだけなので森の深くまでは行かないが、警戒を怠らずに慎重に進むべきだろう。コージの奴も連れてくればよかったかな。


「さてと行きますか……って、うわぁぁっ!」


 森に入った瞬間、足元に魔方陣が展開され視界が白く染まってゆく。気がつくと俺は森の別の場所に立っていた。マップを確認するとまだゴブリンの森の中にいるようだが、相当奥のほうにいるらしい。

 どうやらフィールドにランダムに発生する転移型のトラップに引っかかったようだ。


「転移トラップかよ。どうしようかな」


 基本的にフィールドは奥に行くほど敵が強くなっていく。入り口辺りなら適正レベルだけど、こんな奥ならきっと俺よりもレベルが高いモンスターがうじゃうじゃいるだろう。


「最悪の場合、死に戻りを覚悟しなくちゃな」


 立ち止まってても仕方がない。とりあえず移動しよう。


△ ▲ △ ▲


 鬱蒼とした薄暗い森を歩くこと数分,無事にモンスターに出会うこともなく、森の行き止まり? のような場所に出た。目の前には切り立った崖。それが左右に広がっていて森の行き止まりであることを示している。なにかしらのスキルかアビリティがあれば崖を登れるのかもしれないが生憎俺は持っていない。

 今度は崖に沿って歩いていく。するとゴブリンのパーティと遭遇してしまった。


「ギャギャギャ!」

「ギャギャ!」

「ギャギャギャ!」


 人間の子どもくらいの身長に緑色の肌、額には一本の角が生えている。相手はソードゴブリンが二匹とウィザードゴブリンが一匹のパーティだ。出会う中ではまだマシな方だろう。俺は先ほど買った掘り出し物の点棒を両手に装備し、ソードゴブリンが迫ってくる前にウィザードゴブリンに二本とも投げつける。

 後衛を先に倒すのはセオリーだからな。俺の手から飛び出した点棒はウィザードゴブリンの眉間に命中し、一本だけでHPバーを0にする。もう一本はポリゴン片となったウィザードゴブリンを通り抜けて向こうに飛んでいった。

 点棒の威力に驚いている暇もなくソードゴブリン×2が時間差をつけて攻撃してくる。流石はパーティというべきか、思ったよりも連携がうまいな。俺はソードゴブリン×2の剣をステップで後ろに跳び回避する。

 その時に左右の手に装備し直した点棒を一匹に一本ずつ投げるのも忘れないでおく。投げた点棒はゴブリンたちの腹に当たり、片方は一発でHPバーが0になったが、もう片方はわずかだがHPが残っていた。攻撃力0~500だからな、5とかでもおかしくはない。焦らずにもう一本投げつけ確実に仕留める。

 戦闘が終了すると、レベルアップの文字が現れる。やっぱりここは入り口付近よりもレベルが高いようだ。きっと相手の攻撃が掠りでもしたら一発で死に戻りだろうな。

 ポイント割り振りは後でやるとして、俺は再び崖に沿って歩いていった。


△ ▲ △ ▲


 再び歩くこと数十分、時々出会うゴブリンパーティを狩りながら歩いていると崖にぽっかりと開く洞窟を見つけた。中を覗いてみるが暗くて見えない。しばらく覗いていると奥から足音が聞こえてきた。


「……ギャ……ギャ」


 あれ?


「ギャギャ……ギャ!」


 まさか……


「ギャギャギャ!」

「まじかよっ!」


 奥から現れたのはゴブリンのパーティ。しかも今回は5匹もいる。ウィザードゴブリンが一匹と弓を持ったアーチャーゴブリンが二匹、そしてソードゴブリンが二匹だ。勘弁してほしい。悪態をつく暇もなく始まる戦闘。

 さっきと同じように後衛のウィザードとアーチャーを倒してから前衛のゴブリンを狩る。これ、今のところ基本一本で倒せているからいいけど、初期の点棒ならきっとこうはいかなかっただろう。ホントに掘り出し物さまさまだ。

 と休憩を取るのもつかの間、また奥からゴブリンのパーティが出てきた。今度は洞窟の奥から見えた時点で攻撃を開始する。ゴブリンたちは洞窟から出るまで攻撃してこないのか、ソードもウィザードも出口に向かって走ってくるだけだ。おかげで俺は投げつけるだけで済んだ。

 相手は攻撃してこないので避ける必要もない。この洞窟はゴブリンの巣か何かなのだろうか?


「今日はここで奴らが出てくるのを待ってレベル上げするか」


 そう呟いて俺は武器を構えた。


△ ▲ △ ▲


 それから三時間、俺はひたすら点棒を投げ続けた。相手はただ走ってくるだけ、攻撃しても洞窟から出るまでは反撃してこない。だけど洞窟から出る前に殲滅できる。ということは……そう、ただ投げてるだけでレベルアップが出来るわけですよ! これはもうお得だね! 

 途中からはもう作業プレイだったし、最後のほうには洞窟前に胡坐かいて座り込んで投げてたしね。おかげで森に入る前は14だったのにこの三時間で25まで上がったよ。素材もエンも集まったし、もうボロ儲けだよ! で今のステータスがこれ。




キントウ Lv.25

装備 謎の点棒、謎の点棒、灰山狼のパーカー、灰山狼の七分丈パンツ、灰山狼のグローブ、灰山狼のスニーカー


残りポイント0

Str:25

Vit:25

Agi:62(+23)

Int:25

Min:25

Dex:39

Luc:142


 ポイントは全てLucに振った。これからはポイントはLucに振って、他は必要に応じて装備で補っていくことにした。


 時刻はそろそろ午後11時になろうかといった頃だ。今日はもう街に帰ろうかと思ったが……


「どうやって帰ろう。マップ見ても分からないんだけど」


 行きは転移トラップに跳ばされてきたからどこに向かえば出口なのか見当もつかない。

 彷徨ってるうちにゴブリンのパーティに囲まれあえなく死に戻り。だってレベル上げで点棒使い切っちゃったし、早く街に帰りたかったから。ちなみに死亡時のデスペナルティは二時間のステータスダウンと経験値上昇が0になることだ。

 ログアウトしてても時間が経てばデスペナルティは解除されるので、王都グラムに死に戻った俺は近くの宿を借りてログアウトした。

改稿しました

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