四話
「さぁさぁさぁ!見てらっしゃい寄ってらっしゃい!綺麗な剣の舞が見れるよー!」
ルイが凄い笑顔で客寄せをしている。
ここはルシェファー王国の城下町の噴水広場。国王は確か魔法系魔道人形だったかな。ウサギの人形だそうだ。
俺達は金が無い。そこでディとルイの提案でナイトの剣の舞で金を稼ごうってわけだ。俺よりもナイトの方が顔が良いだからだとさ。
ディはそんな客寄せなんて柄じゃないし俺は特に出番も無いので俺達は座ってみている。
「ふん。随分来てるじゃねぇか」
「だけどよ、収入は少ないけど?……俺達は何するか、ディ」
「さぁ?」
お、始まったようだ。客はひい、ふう、みい……。20人ぐらいか。大体は女らしき人形。
ナイトは前もこうして金を集めていたからか、客受けは良い。それなりにだが金も入る。
ま、馬を買うには足りないけどな。
……俺は立ち上がり刀を抜いた。そして、その場で素振りした。ちなみに、ディの頭上に向かって。
「ちょ!テメェ危ねぇだろうが!」
「悪いな。ま、平気だろ」
俺はけらけら笑いながら素振りする。
お、あんまり動くと危ないぜ?
飽きて刀をしまってまた座った。ディに一発殴られた。と、ナイトの剣の舞が終わったらしい。
なんか、今日は随分大盛況だな。ディが言うにはルイが魔法で幻想的にしたんだとよ。なるほど。
ルイが自らの帽子を取ってその中にお金が入っていく。
……毛糸の髪の毛あったんだ。
「終わったよー!」
「疲れますね……」
「お疲れ。どれくらい金が入ったんだ?」
ディが聞くとルイが数えた。今回は3000$。これで23000$だな。
うーん、馬が一匹10000$だから、まだまだだな。
「ふぅ。でも、そろそろ他のに変えないとダメですね」
「……何これ?魔法パフォーマンス?」
ルイが公告の一つを指差しながら俺達に聞いてきた。
『魔法パフォーマンス大会出場者募集中!参加費1000$。優勝者には賞金100000$さしあげます!』
「これは出ませんとお嬢様!」
「え、僕!?」
「当たり前ぇだろ。テメェが一番適任だ」
とまぁ、ルイが参加することになった。
すぐに受付した。ちょうどルイで最後だったようだ。明日開会らしい。
ルイは何を出そうか迷っていた。
と、ナイトが文字なし魔方陣で良いんではないですか?といって、納得した。
魔方陣は必ず文字がある。が、ルイは文字無しの魔方陣を知っている。大昔文字が無いときに作った物。この世界の物ではない魔方陣だそうだ。
そして、翌日。あっさりとルイが優勝してしまった。
魔方陣で景色を変えたり、剣を受け止めたり、魔法を弾きかえしたり……。
そんな大したこと無いが、文字無しということで優勝だそうだ。
「なんか、あっさり過ぎて実感無い…それよりも魔力使いすぎたよ……ディー、おんぶー!」
「しねぇよ!……あ、いや、金入ったから今日は良いか」
珍しい光景だな。ディがルイをおぶるなんて。ルイはスヤスヤ眠っている。よほど疲れたんだな。
そうして、俺達は馬を買い町を出ようとしたけど――