三話
『報告します。第一魔道人形ルイ、ディ、ナイト、華僑が我等を止めに向かっています』
『ほう。あいつらを倒せばこの私が最強か……まぁいい。4人に刺客を送っとけ。私のところに着くまでに強くするようにな。特にルイだ』
『了解しました』
『くくっ。まんまと罠はまったな』
「?」
何か違和感を感じたのかお嬢様が後ろを振り返った。
あれから3日が経った。歩きなのであまり進んではいないでしょう。
しかし、前とは違いまったく敵が居ませんね。
「どうした?」
華僑が怪訝そうに聞いた。
少し間を空けて答えた。
「いや、悪寒が……」
「敵か?そりゃ楽しみだな」
ディが手をパンっと鳴らした途端目の前に3人ほど忍者らしき人形が現れた。
殺気立っている。武器は刀。腰には手裏剣もありますね。敵……
「誰ですか?場合によっては攻撃しますが」
「……行け!」
三人が此方に猛スピードで向かってきた。早すぎる。
と、お嬢様がとっさに前へ出て、魔法を唱えた。
「シールド!」
ガキィン!この時点で構えているのは敵とお嬢様とディ。私と華僑は剣と抜こうとしている。
お嬢様が居なかったらやられてましたね。私達は剣を抜き構えた。
忍者はシールドを破ろうと攻撃を続けている。
「ねぇ、3,2,1で解くから後はご自由に。3,2,1……」
解けた瞬間四方に散らばった。一瞬忍者は動きが止まってから全員お嬢様に向かった。
「ルイ!」
「~っ、ファイアーダンス!」
火が踊るように忍者を攻撃した。動くが不規則で対応がしきれていない。
チャンス!私はすぐにお嬢様の元へ向かい忍者の後ろを斬りつけた。華僑も斬り、ディは首筋をトンッと叩いた。
三人とも倒れ、魔法も解けた。へなへなとお嬢様は座り込んだ。
「お怪我は?」
「無いよ。悪寒ってこれだったのかなぁ」
「しらねぇけど、動いたのがバレタかもな。気ぃ引き締めねぇと…どうした華僑?」
華僑は長刀をじっくり見つめている。
「……始めて使ったのに凄く前から使っているような感じがしたんだ。凄く使いやすい」
ぶんぶんと振り回し鞘に収めた。
私は華僑の元に向かった。
「前の剣よりもですか?」
「あぁ」
「もしかしたらニンゲンの時に使っていたのかもね」
魔石には昔の物も記憶されている。それ故こう云う事がある。
私達はまた歩き出した。
少しずつ少しずつ……。夜が更け野宿の準備をした。
火の周りを囲むように座った。
「……そういえば、此処からかなり遠いんでしょ?それでもひびが見えるって事は大きいんじゃないの?」
夜空を眺めながらお嬢様が言った。真正面に居た華僑が答えた。
「そうかも。結構時間が無いかもな」
「いや、あると思いますよ。魔力を使って回復しての繰り返しですから。回復もそう簡単ではないとます」
どんな人形には魔力の限界がある。お嬢様といえど大きな魔法を多く使ったりしたら魔力がなくなりしばらく魔法が使えなくなる。
回復には結構な時間が掛かる。寝るのが一番早いが、最低でも魔法が発動するために必要な魔力が回復するには3時間は必要……。
それを、異世界へ使うもんだから凄く時間が掛かる……。
「いや、交代だったら魔力が送られない時間が作られねぇんじゃ」
「その手がありましたか……。しかし、それほどの魔力を持っている人形がそう居るとは思いませんが(ディにしてはまともな事を……)」
「犠牲…魔石から直接とかは無いのか?」
華僑が顎に手を当てながら私に言ってきた。
「それが一番手っ取り早いかもしれませんね。魔石自体には多くの魔力があるので格闘系でも使えまからね」
「結局時間はないんじゃん!」
お嬢様が勢い良く立ち上がった。
読みを間違えましたね、私。
と、ディが火を見つめながら、
「だが、そうは言ってもテレポートは使えねぇんじゃねぇの?歩くしか方法がないんだ」
「……確か、この先に大きい町があるはずだ。そこで馬でも買うか?」
華僑が提案した。
魔道人形の中には勿論喋れるのが多い。犬でも猫でも馬でも……。中には植物、本物の馬もいる。犬の喋れる魔道人形が犬を飼っている人形もいる。
なるほど。盲点でしたね。
「お金は?」
「俺が持っているよ。まぁ、ナイトもディも持っていると思うけどな。お前も。ちなみに俺は一頭も買えねぇ」
華僑が懐から財布を出した。
そして、私達全員を見た。
「僕は持ってないけど。魔法で大体揃うから」
「俺も持ってねぇ。ルイがいるからな」
「私は持ってますよ。しかし、必要な物を買ったりしているのでもう少ないですが」
つまり、金欠。
さて、どうやってお金を稼ぎましょうか……




