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たまたま見つけた俺の黒歴史ノートに、とんでもない話が書かれていた件。  作者: TNネイント
「†聖なる書†Ⅰ 勇者ドウコウの伝説の始まり」編
25/66

最後に待ち構えた者

 敵を倒して、ドウコウ達は最深部に到着する。

「……ここに、助けるべき人がいるのか」

 何処からかボスと思われしき敵が現れた。

「……よくここまで来た」

 その敵は、どう見ても人間だった。

「だ、誰だ!?」

「私の名は、国のために国に抗う騎士、パヒフヘフォルス。 この国を王族の独裁から変えるために動いている」

「騎士……? タラタラの取り巻きではありませんよね?」

 パヒフヘフォルスを名乗る騎士に、テキトーネが話を聞く。

 すると、パヒフヘフォルスはドウコウを指してこう答えた。

「タラタラの取り巻き……? 少し前まで旅にお供させて貰っていたが、あの男はお前よりも性格が悪かった」

「どういう事ですか?」

 その後も、彼女はタラタラについて説明する。

「あいつは、騎士というものを根本から履き違えていた」

「そもそも、あいつもなるべくして騎士になったのではなく、たまたま騎士になっただけだった」

「どういう感じで履き違えていたんだ?」

「どうやら魔法騎士とやらになりたかったらしいが、魔力を得るためと言って小さな村を焼け野原にしていたな」

「そのくせ性欲が強く、住民の性別で殺す方法が違っていた。 また、窃盗に協力させられた事もあったか」

「それなら、ドウコウさんも……」

<金が無いんだ、これぐらい普通だろ?>

<泥棒は勇者の特権!だろ?>

<盗んだ金はちゃんと棚に戻しただろ、何がいけないんだ?>

「泥棒をやろうとして、村から追放されてましたね。 あの時はまだ、勇者の指命を与えられたばかりだったらしいのですが……」

 「やめてくれ! 俺はその事を忘れたいし、それと今の話は別だろ!」

「あの虐殺の後、仲間達が離れて孤独になって泣いているあいつを見たが、あれからもう1年ほどになるのか……」

「ところで、この洞窟に女の子がさらわれているって本当なのかな?」

「本当だ。 だが、誘拐したのは私ではない」

「本当かよ……最低だな、タラタラという奴は」

「私がこの洞窟を探検していると、何故か最深部に少女が立たされていた」

 パヒフヘフォルスは、縄縛りの少女をドウコウ達の目の前に。

「最初に見た時は魔物に食われていないか心配していたが、食われるどころか魔物とは異様な関係が築かれていたらしい」

「おそらく、襲ってこないと分かって食わなかったのだろうな。 お前も、一度は剣を隠してみると良いだろう」

「次の冒険でやってみる。 ところで、ここで戦わずに……良いのか?」

「問題ない、戦いに巻き込まれる可能性もあるからな」

 そう言われたドウコウは、すぐに剣で少女の手足を縛り付けていた縄を切る。

「……?」

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