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俺がそんなふうに考えていると、
「そんなところかもしれません」
スウェンは、首肯して、
「夜間行軍です。月も、雲に隠れていたでしょう」
と、応じた。
「……」
「足並みを揃えて、明かりを極力抑えて進んでこられたとすると、近づかれるまでわからないでしょうね」
どうやら、ただ今の俺の推察も、明後日の方向レベルにとんちんかんなものでもないらしい。
風向きと霧、悪条件が重なったというところなのかもしれない。
「数は、五十くらいなんだろう」
俺は、スウェンを見た。
「そんな数で、明かりなしで行軍できるものなのか?」
「完全に無しではないでしょう」
スウェンは、淡々とした調子で応じた。
「ですが、霧が光を吸った。そうなると、ぼんやりと滲むだけで、動きまでは見えません」
スウェンは、
「夜は、音を奪う」
と、続けて、
「霧が深いと、距離感も狂います」
「……」





