3911/4763
7-524
ゲイナーは、ロウナに向かって軽く笑いながら、
「ええ」
と、頷いた。
その頷きは、同意を示しているような感じだった。
それから、
「だから、私としては、そういう場合は話半分で聞いているのです」
と言ったゲイナーである。
(……そういうことか)
なるほどである。
俺のいた世界の話に例えるならば、ネットオークションで3000万円で売れるであろうものを500万円で譲る、というのだ。
大盤振る舞いだ。
実際、大盤振る舞いすぎる。
破格の取引である。
出血大サービスである。
要するに、どうみても、うますぎる話だ。
ゲイナーは、不動産王と呼ばれている人物なのだ。
それ相応の様々な駆け引きを経験してきているだろう。
それ相応の様々な修羅場をくぐってきているだろう。
そのゲイナーもまた、それがうますぎる話だということはわかっているのだ。
そのうえでその話にのったということなのだろう。





