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俺は、ラテュレとの会話を思い出していた。
「もっとも、覚醒することなく幼獣のままであれば、その大部分はなんら普通の獣と変わることはないとされているわ。それどころか、金の卵かしらね」
「……それは、どういう意味だ?」
「覚醒していない聖獣は、普通の幼獣と変わることはない」
「……」
「言わば、普通の子犬や子猫のようなもの、危険はない」
「……」
「そんな聖獣に内在する膨大な魔力を無尽蔵に抽出できる」
「……」
「もし、クエストの依頼主のゲイナーがこの子猫の本質を知っていたのだとしたら……きな臭い話になってくるのかもしれないわ」
「おい……」
「抽出した魔力は、例えばそう、魔石や武器防具にでも付与すれば、かなりの商品価値があるでしょうね」
「なにを言って……」
「あの子猫の首輪、見た目は他の二匹のものと変わらないけれども、別の魔法が施されているわ」
「え……?」
「身体の自由を奪いそのものの精神と魔力を搾取する魔法……"隷属搾取"よ」
「……」
「普通にかわいがっている子猫にそんなもの、要らないでしょう?」
そのようなラテュレとの会話だった。
しかし、どうやら、ゲイナーは、詳しく知っているわけではなさそうである。





