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ヴィセントの不動産王。
宿泊施設。
庶民の身としては、どうにもスケールをかんじさせる言葉である。
わかるのは、ゲイナーが商売的に成功している側の人物そうだ、ということである。
パリーピの言にある、
「商業区画にもまた新たに観光客に特化した宿泊施設を」
の、
「また新たに」
というのは、今までにもいくつかの実績があることを窺わせる。
敏腕実業家。
そんなイメージも浮かんでくる。
俺の横で、ラテュレが軽く肩をすくめて、
「なかなかのやり手ね」
と、言う。
聞こえないようにではなく、堂々と聞こえる感じで、である。
(こいつ……)
俺は、ラテュレに半ば呆れた視線を送っていた。
このラテュレ、楽しんでいるようである。
物怖じしないのは、少し見習いたいきらいもある。
あるが、この遠慮しないのは、どうにもあちゃーなきらいなきにしもあらずである。





