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 ある意味、いんちきである。


 このいんちきの目的は、幻惑だ。


 サードに(まと)を絞らせないためである。


 実際、サードが構えた手が(エル)字棒の動きに合わせて動いた。


 照準の合わせ直しのような動作である。


 ひゅんひゅんとうねりながら、(エル)字棒が飛んでいる。


 ブーメランのような軌跡を描いていた。


 そして、サードめがけて(せま)っていっていた。


 この展開、サードにとっては面倒なはずである。


 飛んでくるのか。


 飛んでこないのか。


 曲がるのか。


 曲がらないのか。


 いろいろな可能性である。


 それらを唐突に突きつけられる形である。


 買い物で言えば、相方が、


「今日はぁー、トップス買いにきたんだけどぉー」


 と言うところからはじまり、


「でもぉー、あっちのバッグも良かったしぃー、あっ、これも見てみー、よくなーい?」


 などと、着地点が危うい感じに不明瞭になってくるようなものである。

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