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文字通りのワンチャンである。
ぶっちゃけぶっつけ本番の一度なのだ。
そして、そのぶっつけ本番の一度が成ったとしても、それがうまくいくという保証はない。
俺は、正面を見据えながら、
(……ままよ)
建物の中は、広い。
俺のいた世界の小学校や中学校の体育館の二つないし三つ分ほど、といったところだろうか。
俺のいた世界の特撮などでよく登場する廃工場の趣きもある。
俺の前面のところどころに置かれていた鉄の塊や木箱は、跡形もなくなっていた。
見る影もない。
かろうじて、その破片めいたものがわずかに散在しているのみだ。
(……いくぞっ)
ばあんっと手を広げた。
結構、大袈裟にである。
エクスクラメーションマークが付くぐらいの勢いで、である。
ビックリマークが付くぐらいの勢いで、である。
漫画で言えば、集中線がばあんっな感じである。
「……」
と、サードの瞳にわずかに警戒の色が宿った、ような気がした。
冷たい風が吹いていた。





