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俺自身にもはやあまり余裕はない。
いや、余裕などという言葉自体、ちゃんちゃらおかしい。
あまりというかもうほとんど猶予はないように思えていた。
(……)
足を引きずるようにしながら、歩を進める。
俺は、イフのところまで辿りついた。
なぜか、イフは、渋い顔だった。
ありていに言って、めちゃくちゃ渋い顔である。
濃い目の緑茶を一気飲みしたくらいの渋さである。
そして、開口一番いきなり、
「いやらしい」
と、これだった。
ぴしゃりとした突き刺すような五文字ワンフレーズである。
「……は?」
目を細めたイフは、
「男の人っていつもそうですね……みたいな感じです」
と、言った。
軽蔑するような調子増し増しである。
思いきりじと目である。
思いきりも思いきりフルスイングの軽蔑したような眼差しだった。





