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5-312

 いきりたっている若い黒服とは対照的に、落ち着きを払っているその黒服である。


 俺は、自然漠然(しぜんばくぜん)


(手強い、かもな……)


 と、考えていた。


 その黒服は、落ち着いた調子で、


「いいから黙っておけ」


 と、若い黒服すなわち黒服Cにたしなめるように言った。


 黒服Cは、反駁(はんばく)して、


「でも、アニキ……!」


 と、言ったものの、


「いいから、黙っておけ」


 と言われて、


「アニキがそう言うんなら……!」


 と、納得はしていないが矛先(ほこさき)を納めた感じである。


 俺は、自然漠然(しぜんばくぜん)


(話ができるかもな……)


 と、考えていた。


 その黒服は、このグループの中でも、年長のようだ。


 そして、少しは話も通じそうである。


 これは、ある意味、好機ではないだろうか。

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