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仮面ワンダー「アリス」  作者: らゐをふ


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22/22

ユキの本心

 フェイが寝ている。

「………」

 何故かフェイの部屋に忍び込んでいたユキ。静かに、周りに何か無いことを確認してからフェイに手を伸ばす。

 …頭を撫でる。撫でて、安心したようにベッドの横に腰掛ける。

「……ルア?」

 そうだよ、そう言いたげに口を開くがやめた。そのまま目を瞑り、ルアの事を思い出す。

 夢に囚われたルア。救われたユキ。救いたい「お姉さん」のフェイ。

 3人の思惑は、深い夜に溶けていく。

 我慢できずにユキは布団に潜った。寝たままのフェイに蹴られ、ユキは退散した。




「仮面…『ナイト』?」

「せや ウチが作ったのはワンダーで正体不明の仮面がナイト」

「夜?騎士?」

「どっちもだとカッコええよな!」

 真面目な話をしている様でそうじゃない。シエラの疑問を払拭するためにミラを捕まえたが、容量の得ない会話にシエラはイラついていた。

「アンタがカエルの姿でやった事忘れてないから」

「でも楽しかったやろ?」

 手を出そうとするシエラ。イヌタロウが何とか抑えた。

「はぁ……ユキを取り返すにはどうしたらいいの」

「取り返すも何も ユキは何もされてないで」

「はぁ…!?」

 また手を出そうとする。イヌタロウが何とかした。

「ユキは白雪姫 眠りを覚ましたって事は……」

「キスされた!?キャー!?」

 厨房の奥でイヌタロウ母が叫んだ。一度みんな厨房を見たが、一拍置いてミラに視線を戻した。

「こっからは推測になるけど 夢の中で誰かがユキを助けた」

「その誰かって?」

「あっち側の誰かやろな フェイって奴が一番有力候補やね」

「フェイ……」

 名前も顔も、ここにいる誰も知らなかった。

「そもそもミラ その名前どこで知ったの?」

 みんなが下を向く中、グレーテルが素直に聞いた。

「関係者大体把握してるからやな!」

「アンタどっちの味方なのよ!?」

 シエラが手を出す。イヌタロウは止めなかった。

「物語は面白い方がええ!痛いし帰るわ!ほな!」

 指をパチンと鳴らし、消えるミラ。シエラは殴ったことを後悔したが、後にみんなに『俺でも殴る』と慰められた。

 一人顔を上げないハンス。みんなから見えていないアリスが話しかける。

「何か気になるのですか?」

「俺さ…ここにいる必要居るのかなって」

 呟いたハンスに蚊帳の外に居たシュクが抱きしめる。

「ここにみんなが集まったのは ハンスのおかげ」

 珍しく優しい口調のシュクに、少し驚くハンス。

 正確には、アリスが居たおかげ。俺は何もしていない。

「なんか辛そうだね 濃いの食べて元気出して」

 イヌタロウ母にゆで卵を渡される。無言で殻を剥いて食べると、塩もかけてないのにとんでもなくしょっぱく感じた。

 アリスは泣いていた。

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