16、デートの約束
パレードは仮面を被ったユキ、「仮面ナイト.アップル」に対し銃を向けていた。
「…やるなら早くしてよ」
「そう焦るなって こんな状況楽しまないと」
パレードは向けたまま体を後ろを捻らせる。視認は出来ないけど、きっと舌を出してとんでもない顔をしている。
「3」
カウントダウンを始めると同時に銃を撃つ。
「2と1は!?」
フェイが思わずツッコんだ。
アップルの体に命中した弾。フェイもお血々ちゅっちゅおじさんも、心配そうにアップルを見つめる。
「……痛くない」
銃を置いたパレード。フェイの横に並んで「せーのっ」
「「「すげーっ!!!」」」
まるでスタンディングオペーションをする外国人の様に喜ぶ三人。フェイはすぐに照れて顔を背ける。
「おめでとうユキ これで私達の『仲間』よ」
「…ありがとう」
愉快な二人を置いといて握手するアップルとフェイ。
「約束は果たしたし!次は僕の番だよね!」
パレードは無邪気に仮面を取る。ユキは固唾を飲み、その姿を下から覗く様に見る。
「デートしよっか……お姉ちゃん?」
「デートか!いいねぇ!お母さん応援しちゃう!!」
「だから違うってば!!!」
朝から響く声。起こされたグレーテルはその様子を影から覗いていた。
「イヌタロウにはお世話になったから……何か恩返しをしたいだけ」
「ならデート一択だろう!『ヒデヨシ』に頼んでチケット取ってきてもらうね!」
ヒデヨシ、トモエの旦那。背の低いトモエに対してヒデヨシは2メートル近い身長を持っている。その中間にちょうどイヌタロウが収まるのだ。
「違うやり方は無いの!?」
「ヤリ方…?流石に息子の将来を委ねるにはまだ信頼度が…」
「もういい!」
その場を離れようとするシエラと目が合ってしまうグレーテル。
「シエラ……怒ってる…?」
今にも泣きそうなグレーテルを見て大きなため息を吐く。
「はぁ……もし行くなら みんなで行くわよ」
「いいねぇ!だいr……」
慌てて後ろからイヌタロウがトモエの口を塞ぐ。
「俺こんな役ばっかじゃねぇか!?」
「なんて言おうとしたの?」
「……」
処理しきれない情報量に頭を抱えるシエラ。
「…イヌタロウはどこから聞いてたの?」
「今来たばかりだけど母ちゃんがいつも通りに暴走する気がした!」
「イヌタロウは勘がいいねぇ……」
口を封じられたままトモエは呟く。
「んで!いつ行くんだ?みんなで遊びに」
「ちゃんと聞いてるじゃない!!」
シエラは激怒した。




