異世界での茶飲み話。
一応これでエピローグです。
カロン、と音を立てて氷がグラスの中で融けてすべる。
冷たいアイスティーの入ったグラスを傾きかけた日差しが通っていく。
「ほんと、君のお茶美味しいわねえ、たいして用事無くてもつい寄っちゃう」
魔女はそう言ってアイスティーを一口飲んだ。
「でも今日はちゃんと品物受け取りに来たのよ、運ぶのにウチの人と待ち合わせしてるんだけどね」
そう言ったと同時に影が差した。
「エリオット君、俺にも一杯欲しいんだけど。いいかな?外暑かったしさあ」
魔女の配偶者たる魔導士が横に来て席に着く。
「わかりました。・・・でもここ、古道具屋ではあるけど喫茶店じゃないんですけどね~」
控えめに抗議の言葉も呟きつつ、
「この間、いい豆が入ったんで、アイスコーヒーを。ミルクも入れますね」
魔導士の顔が緩む。
「ああ・・・。ありがたいな。ようやくこっちでコレ飲めるようになったよ」
甘いシロップとミルクをたっぷり入れたカフェラテを受け取ると、実に幸せそうな表情でそれを口に運んだ。
それを微笑んで眺めつつ、エリオットは声を低めて魔女に尋ねた。
「あの。魔女様。・・・どうやったら、魔導士殿や副官殿みたいに、寿命が延ばせるんですか?不老不死、みたいな」
くるくるとアイスティーを搔きまわしていた魔女の手が一旦止まる。
「なんですと??不老不死の秘密を聞きたいとな?」
「あ、ほら、その。ここで暮らすなら、あの人の傍ならそのほうがいいんじゃないかって思ったんです、けど・・・」
言葉につまったエリオットのハシバミ色の瞳に一抹の不安のような色が見える。
「いや、そりゃ私の眷属になれば早いけど。それはそのまんま私の手下ってことだから、困るでしょ、それは」
「う~ん・・・。そうなっちゃうんですね、なんかいい方法・・・」
とちょっと顎に手をやったタイミングで、
「戻りましたよ。おや。お茶の時間ですかな、二人ともお揃いで。じゃあ私も一杯飲んでから仕事の話はしましょうかね~」
ラウが覗き込むような姿勢でカウンターにやってきた。
「お茶の話題になんか楽しい話題でも?私も一緒に交ぜてもらいましょう。私は何を飲もうかな・・・」
「そーね、この人にまず聞いてみた方が早いかもよ?あ~と~は、呪いとか・・・??」
「手っ取り早い方法ってのを知ってそうな気がするよな」
そう言って古道具屋のカウンターに茶道具やら、コーヒーのサイフォンだのが散らばる中、異世界の町はずれではゆっくりと日が傾いていった。
先ほどの話がどうなったかは、いずれわかることもあるかもしれないし、そうでないかもしれない―――・・・。
一旦エピローグなんですけど、これはこれで(こっちも)いつでも続きもできるような終わり方でしめておきます。まあちょっとした童話的終わり方((^^;?)、かも。
思ったよりちょい役で絡ませた二人が最後も出てきたんですが、あっちの話で書こうと思ったコーヒーネタをこっちに持ってきてしまったという・・・(^^;。まあ、あっちでも書けるちゃあ書けるんだけども(苦笑)。BLでないと言いつつあやしい感じだね、の終わり方ですが・・・。




