静寂の底から・・・
一部切り取ったような話の冒頭ですが、いつもと違うように見えて、そんなに変わらないかもしれない話です。
切り口が違うとこんな感じになるや否や?という話。
続くかな~、どうかな~。
喧騒と酩酊と、暗転。
そして静寂―――・・・。
昏く明滅する光とともに聴こえていた言葉は、なんだろうか・・・?
段々浮上する明るさにかすかな記憶が残る。
―――よくまあちょうどいい感じに酩酊してるな。・・・本当に都合が良い、これなら・・・。
なんの、誰の都合がいいというのか?
男は自問自答した。
(別に自分にとっては都合がいいわけない・・・)
眼を開けると、
そこには天井扇がゆっくりと低い音を立てて廻っているのが見える。
「ここは・・・どこなんだ・・・」
思わずこぼれるそのままの一言に反応があった。
「おや。起きましたか。意識が戻るとは半分くらいしか思っていなかったのですがね」
そう静かな男の声が近くから聞こえた。
「ああ、急に動かないでください。まあ、実際に動けないとは思いますが」
顔を動かして声の主を見ようとするも、それも今は難しいようだ。
「ここは私の店の空き部屋。というか、店のバックヤードとでもいいましょうか」
背を向けて移動したのか、一旦声が少し遠ざかる。
「少しこれでも飲んで落ち着いてください。薬草茶です」
ようやく、少し体を起こすと、店主の寄越すハーブティーを一口飲んだ。
熱くはない、微妙な温かさであったが、それも心地よいくらいに喉が渇いていた。
「ここは古物屋でして。私の扱うものは骨董品など貴重なものではありませんが、古道具や古い書物、中にはいわくつきなものまでありますよ。・・・ああ、客人に話すことではありませんでしたね」
言っていることの物騒さに頓着せず、店主は至って気軽にそう言った。
無造作にまとめた薄い銀灰色の髪に、薄暗い部屋に浮かび上がるほの白い顔。丸眼鏡の奥の瞳は薄い琥珀色であった。
「・・・私はラウ。君は?」
「・・・自分、は・・・」
それ以上言葉が出ない。
「僕は・・・」
頭を抱えた。
「僕は・・・、誰なんだ・・・」
店主が一瞬眼をみはる中、天井扇はただゆっくりと音を立てて廻っていた。
種明かしがあるとすればだんだん後ほど、なんだけど、書けるかな~、どうかな~という話。
一応主題はあるんだけど。




