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第6話 男湯にはおっぱいがいっぱい。そして袋も。

けっこうこのペースで更新するのって疲れますね。


毎日更新している作者さんっていったいどういう生活しているんでしょうね。私は色々と他の小説を読んだり、アニメを見たりという趣味の時間を減らして執筆していますけど、やはり毎日更新している人は、執筆以外には何もしないというストイックな生活をしているのでしょうか。


それとも単に執筆スピードが速いだけなのか。

 ここはスーパー銭湯『湯ったりこん』の男湯の脱衣所である。周りにいるのは大半が年配のおじさんやお爺さんで、ごくまれに小さな子供を連れたお父さんも居たりする。するのだが、この男湯、日本人が有袋人類へと肉体変化する前だったら女湯でしか見られない光景ばかりであった。


 なにせ股間にタマタマと棒をぶら下げたおじさんたちの胸には立派なおっぱいも揺れているのだ。上下でぶらぶらである。まあその乳は年齢に相応してちょっと垂れている人も居れば、形が良いままの乳を持ったおじさんもいる。


 そんなおっぱいパラダイスが今の男湯の姿であった。


 そしてまだ小さな子供、おそらく幼稚園くらいの男の子を連れたお父さんにも乳が付いている。父には乳があるのだ。冗談ではない。


 ちなみにそのお父さんのお腹の育児嚢はちょっと膨らんでいるように見える。ビール腹ではない証拠に、腹の表面の皮膚は時々もぞもぞと動いており、育児嚢の中には赤ちゃんがいることが分かる。


 それにしてもお腹の袋の中に赤ちゃんを入れたままで湯に浸かっても大丈夫なのだろうか。袋の中にお湯が入ってきて赤ちゃんが溺れたりしないのだろうか。


 それについてはご心配なく。


 育児嚢は単なる袋ではなくその入口には括約筋が存在しているのだ。つまり肛門に力を入れてキュッと締めることが出来るように、育児嚢の入口はしっかりと締めて防水状態にすることが可能というわけだ。


 なお、そういった機能が発達しているのは、この地球上にもともといた有袋類の中では、水棲に唯一適応したとされるカワウソに似た生態を持つ現地名ヤポックと言われるミズオポッサムという種類の雌♀だけであった。


 つまり有袋人類もその進化史の上で、一度は水棲に適応しようとした時期があったのかもしれない。おそらく川か湖、もしくは内海のほとりのようなところで進化をしたのであろう。


 ま、それはさておきTS研究会のメンバー4人は、シュルシュルと服を脱ぐ。既にこのような体になってしばらく経っているし、変化したのは自分だけではなく日本人すべてなので、今さら恥ずかしがる理由も無いということなのだろう。


 しかしまったく恥ずかしくは無い訳ではない。それは胸の大きさを気にするかつての女性のような気持ちであろうか。お互いに服を脱ぎながら徐々にあらわになる胸をちらりと横目で見ているのである。おっぱいの大きさ、もしくは小ささを確認しあっているわけだ。


「ほえー、坂東先輩、巨乳さんですね」


 感心した声を出したのは尾歩都である。遠慮が無いというか、空気を読まないというか、本当に若いってすばらしい。


「さすがに尾歩都よりも我輩のほうが2歳年上だからな。乳も2年分よけいに育っているってことだろうな」


 坂東空徒TS研究会前会長は、ブラジャーに包まれたその大きなおっぱいを両手で持ち上げてみせる。たぷんという擬音が聞こえてきそうな感じである。


「2年経ったら佐夢の胸もそれだけ育つんでしょうか?」


 尾歩都は自分の小さな胸にそっと手を当てる。ブラジャーが外されてむき出しになったそのおっぱいは、見る人が見れば決して単なる貧乳ではなく、まだ単に育ちきっていない未来があるツンと突き出した小さな胸だということがわかるだろう。


「そりゃそうだぜ。俺も坂東先輩ほどじゃないけど、けっこうおっぱいはでかいからな。1年の差はそれなりにあると思うぞ」


「うーむ、有恩の場合はもともとぽっちゃり体型だったからなあ。我輩とは前提条件が違うというか、そのおっぱいの内部構造としては乳腺よりも脂肪の割合のほうが高すぎるのではないかと愚考するのであるが、そこのところはどうなんであろうか」


「坂東先輩、脂肪が多いほうが柔らかくて良いんですよ。何だったら触ってみますか?」


「望むところである。しかしまあ脱衣所で触りあうのもなんなので、石鹸の泡まみれ状態で洗いっこしながら触りあうというのはどうであろうか?」


「あ、いいですねえ。泡まみれでつるつると滑ったほうが触られていて気持ちよさそう」


「表面を撫でるだけではなくて、軽く揉んでみてもいいと思うぞ」


「ところで坂東先輩、そういう揉んだり揉まれたりとか以前の女子達もそういうことをしていたんでしょうか?」


「いや、我輩も良くは知らないがフィクション作品ではよくあるシチュエーションではあるが、さすがにそういうことは珍しかったんじゃないかな。というかほとんど無いだろうな」


「佐夢もやっぱりフィクションだと思いますよ。TS小説としてはよく読んだり書いたりしましたけど」


「ま、その辺はTS(トランススピーシーズ)研究会としての研究項目であるわけであるし、遠慮なくお互いに触りあってみようではないか」


「……ところで神賀、お前TS(トランススピーシーズ)研究会の現会長なのに、なんでこの話に乗ってこないの?」


 絶対にその理由を知っているだろうという、にやついた顔をしながら神賀に問いかける有恩。


「どうせ僕は貧乳ですから……」


 そう言う神賀のおっぱいは確かに小さい。しかもツンと突き出した様子はもうなく、ふわりとした雰囲気のおっぱいは既に育ち切った立派な貧乳という感じであった。希少価値である。


「おいおいおい、そんなに落ち込むなよ。貧乳のほうが感度が良いって昔から言うじゃないか」


「貧乳って言うなッ!」


 自分で貧乳と言っておきながら、他人が言うと怒りだす。まことに理不尽である。


 まあとにかく有袋人類化した男ども、既におっぱいに関する感性はしっかりとかつての女性のような感性へと変化していた。というわけで神賀は一声吠えると、スタスタとひとりで脱衣所から浴室のほうへと歩いていく。


 但しその顔は入浴する前なのにもう赤い。自分の言動が何だか恥ずかしかったようだ。


「ちょっとからかいすぎたか、後で謝っておこうかな。『俺や坂東先輩のおっぱいが大きすぎてごめんなさい』って」


「有恩先輩、それ、全然謝罪になってませんよ」


「ははは、下手に同情したことを言うよりは、現実と向き合ったほうがはるかに良いと思うがな。さ、それよりも皆、我輩たちも浴室へと行くぞ」


 そして三人は神賀の後を追ってかつての女湯のような雰囲気が満ちた男湯の浴室へと入っていったのであった。




 カポーンという音が聞こえているわけでは無いのに、なぜかそんな効果音が聞こえてくるような気がする浴室。そこには様々な湯があった。


 ごく普通の湯舟に、泡の出るお風呂のジャグジー、電気風呂に薬湯(くすりゆ)、もちろんサウナに水風呂もあるし、濁り湯やさらには露天風呂まであったりする。ここはもう単なる銭湯ではなく、お風呂のテーマパークのようである。


「おおお、すごい」


 四人の中でいち早く浴室に入っていた神賀が、その光景に圧倒されていた。どうやらスーパー銭湯自体に来たのは初めてらしい。


「ほら、神賀、惚けていないでまずは、かけ湯をせんか。マナーであるぞ」


「あ、すみません、坂東先輩。忘れてました」


 そして神賀は坂東先輩に続き、出入り口のすぐそばに設置されたかけ湯用のお湯だまりから手桶でお湯を汲み、体にかけていく。


「神賀先輩、もう怒ってないんじゃないですか? 佐夢にはそう見えるんですけど」


「ああ、あいつは普段から冷静だからな。怒りもそう持続しないのは、俺も昔から知ってる」


「だからと言って、いつもからかってちゃ神賀先輩がかわいそうですよ」


 神賀の様子を少し離れた後ろから眺めていた有恩と尾歩都が小声で会話していると、かけ湯をし終わった神賀がクルリと振り返った。貧乳ながらもとりあえず柔らかいおっぱいがぷるんと揺れる。


「もう怒っていないから、ほら、お前たちもさっさとかけ湯をしろよ」


 ちょっと照れているのか顔が赤いが、浴室のむっとした湿気の多い暑い空気のせいということにしておこう。


 というわけで4人は浴室の中にある洗い場へとやってきた。


「やはり湯舟に入る前に体を洗うのは基本であるからな。ふふふ、いよいよおっぱいの洗いっこが出来るな」


 坂東先輩、ものすごく意欲的である。その手が既にわきわきしている。


「ちょっと待ってください。そういう楽しみは後にして、僕はこの機会にちょっとみんなに聞きたいことがあるんですけど、いいですか?」


「ん、まあ俺は構わないけど、まずは椅子に座ろうぜ。いつまでも立ちっぱなしは目立ってしまうからな」


「あ、あの辺り空いてますよ。あっちに座りましょう」


 トテトテと歩き出す尾歩都。低身長の小さな体格でおっぱいはまだ発育途中のちっぱい。そんなロリ(ショタ)な尾歩都の言うことに反発することが出来るであろうか、いや出来ない。意外とこの4人のメンバーの中で、尾歩都こそが影の支配者なのかもしれない。


「で、我輩たちに聞きたいというのは何のことだ?」


「いえ、そんなに難しい話なんじゃないんですけど、普段、みんなはお腹の袋をどうやって洗ってますか? 僕の場合はこの柔らかいスポンジに石鹸をつけてスポンジごと手をぐっと袋の中に突っ込んで洗っているんですけど、袋の入口のところがキュッと締まりすぎてて、腕がこすれる刺激でちょっとこう……」


「感じちゃうってか? まあ、しょうがないんじゃない。俺も袋の中を洗ってる時は感じちゃうし」


「佐夢もです。だから袋の中にボディーソープを流し込んだ後、シャワーヘッドを突っ込んでお湯を流し込んですすいで終わりっていう日もありますよ。毎日手を突っ込んで洗うのは体に毒です」


「なるほど、感じるのは普通なんですね。僕だけ敏感なのかなと思ってました」


「ははは神賀よ。安心したか? ちなみに我輩は、お腹の袋の入口や中を触ると気持ちいいというのは、もう癖になるぐらい気に入っているからな。じっくり念入りに洗っているぞ。というか、既に我輩たちの年齢なら育児嚢の中の乳首からじわじわと父乳(ふにゅう)が出てるらしいから、よく洗っていないと乳臭いにおいが腹から漂ってくるから気を付けないといけないぞ」


「そうか、母乳じゃなくて父乳(ふにゅう)なのか」


 目からうろこ状態の有恩。今まで気が付かなかったのかという視線を神賀と尾歩都から受けている。


「じゃあ坂東先輩、佐夢がお腹の中を洗ってあげます。ふふふ、佐夢の右手の餌食(えじき)になってもらいますよ」


 というわけで佐夢は坂東先輩が座る椅子の後ろに自分の椅子を移動させるとそこに座り、坂東先輩の背中に自分の胸を密着させるような体制を取る。右手にボディソープを馴染ませると、そのまま右手をにゅるんと坂東先輩の育児嚢の入口から中に入れた。


「どうです、坂東先輩。佐夢の手が坂東先輩のお腹の中をきれいにしているのが分かりますか? このひだひだの間にたまった汚れを佐夢の指が掻き出していますよ」


「あう、尾歩都、もう少しゆっくり優しく洗ってくれないか。そうじゃないと我輩、我輩……」


「ふふふ、いきなりもう感じちゃいましたか。イケナイ先輩ですね。あ、イケナイんじゃなくてイケちゃうのか♪」


 尾歩都佐夢。かわいい顔して実はサドッ気があるのかもしれない。


「なあ、神賀。お前んち、お兄さんがいるって言ってたよな。結婚していて生まれたばかりの子供がもういるって言ってたけど、赤ちゃんってお兄さんの袋の中で育ててるんだよな?」


「そうだけど、何?」


「いや、お兄さんが袋の中を洗う時ってどうするのかな? って思ってさ」


「ああ、それ。そういう時は僕か父さんが一時的に赤ちゃんを預かって袋の中に入れてますね」


「え、そうなの? じゃあ神賀ってもう袋の中に赤ちゃん入れて授乳したことがあるってわけなのか?」


「そうですよ。まだ未熟児っていう感じで、本当に赤い肌をした手のひらに収まるくらいの小さな赤ちゃんですから、じわっと染み出す程度の父乳でも大丈夫ですから」


「そうか、ということなら、神賀の袋の中は染み出てきた父乳で汚れているだけじゃなくて、赤ちゃんのうんちやおしっこで汚れているわけか。それは念入りに洗ってきれいにしてあげないとな。ふふふ」


「そんな、汚いですからいいですよ。自分で洗えますし」


「おお、リアル『そんなとこ汚いよう』が出ましたか。大丈夫。俺、そういうシチュエーション好きだから」


 そして神賀の育児嚢の中は有恩の毒牙にかかり、しっかりきっちりと念入りにきれいにされたのだったが、代わりに神賀の心は汚されてしまったのだという。


「く、悔しい。感じてしまいました」


「ふふふ、貧乳さんは感じやすいっていうのは本当だったんだな」


「育児嚢の中とおっぱいとは関係ないと思いますが?」


「まあ、それはそれとして、あれは止めなくていいのか? 坂東先輩、気持ち良すぎて気絶してるんじゃねえか?」


 有恩が示す先には、育児嚢の中に尾歩都の右手を突っ込まれて、うにうにぐりぐりにゅるにゅると念入りに中を洗われていた。そしてその気持ち良さに坂東先輩は白目をむいて口からよだれを垂らしていたのである。


 恐るべし、尾歩都のフィンガーテクニック。いったいいつの間に技術を習得したのであろうか。


「うわ、さすがに止めないと不味いですよ。店の人に見つかったら追い出されるかも」


「そうだよな。おい、尾歩都。ストップ、もう終わり。坂東先輩、ほとんど気絶してるぞ」


「あ、本当だ。坂東先輩の反応が楽しすぎて、佐夢、ちょっとやりすぎちゃいましたね。ふふふ」


 尾歩都佐夢、意外というか知ってみれば納得というか、小悪魔タイプであった。


 今日はここまで。




【 豆知識、もしくはオリジナル設定 】


第三話において、下記のような発言があります。


「そんなに赤ちゃんを産んで大丈夫かという話ですが、残念ながら有袋類は有袋人類も含めて、まだ小さな赤ちゃんの生存率は実は高くありません。生存率の低さを出産の数でカバーするという戦略です。その中でも特に有袋人類は男性に育児嚢がついていて、群れを作って集団で生活し、年代を越えて子育てをしていましたので、繁殖力は並行世界の異世界でも大型の生き物としてはずば抜けたものがありました」


 しかし知っている人は知っているでしょうが、現実の有袋類において、一度に一頭しか子供を産まないタイプの有袋類、例えばカンガルーは、その一頭を袋の中で大事に育てるので、小さな赤ちゃんの生存率はかなり高いです。


 ところがオポッサムのように一度に20匹から30匹、最大では50匹も子供を産むような有袋類は、かなり子供の生存率が低いです。なにせそんなに子供を産むくせに、お母さんには乳首が13個しかないので、最悪、最初に産まれた13匹しか生き残れません。


 そして本作に出てくる有袋人類ですが、女性が一度に産む子供は一人ずつと少ないのですが、一ヶ月に一度の割合で妊娠出産が連続するので、年に換算すると12人の子供を産むことが可能です。


 その多くの子供たちを、父親の育児嚢の中に産み落としたり、血縁の他の男(兄弟や父親とかおじさんとか)に産み落としたりします。


 場合によっては今回の話の中でちらっと出てきましたが、袋の中の赤ちゃんを取り出して他の男の人の袋に移すこともあります。


 その際に手から落としたりすることもあるでしょうし、元気なほうを残して弱い子を間引くなんてことも行われたりもするでしょう。


 というわけで、有袋人類の赤ちゃんの生存率は結果的にカンガルーなんかよりも低くなるという傾向にあります。


 まあしかし神様が日本人の人口を増やすようにと命令していますからね。今後はその状況も変わってくるかもですね。


おっぱいを洗いあいっこするシーンにまでたどり着けなかった。というか袋を洗うシーン書いたし、もうおっぱいいらなくね? なんて思っちゃう作者の性癖はもうイカレていると思う。

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― 新着の感想 ―
[気になる点]  それはそれとして袋の中の汗腺や乳腺には、ウィルスや菌類などの病原体を抑制する物質を分泌したりもしているのでしょうか。近くに澄んだ水がない環境では何日も何日も袋の中を洗うことができない…
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