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【書籍化】家族と移住した先で隠しキャラ拾いました  作者: 狭山ひびき
厨二病魔王と〇〇に!

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あの厨二病魔王に説教を‼ 3

お気に入り登録、評価などありがとうございます!

「ねえギーゼラ、結婚式をもう一回やり直すとかできると思う?」

「何馬鹿なことを言っているんですか」


 わたしの、確かに馬鹿ともいえる発言に、ギーゼラは容赦ない一言を浴びせた。

 わたしはギーゼラに髪を結ってもらいながら、鏡台の鏡越しに彼女を見やる。


「だってさ、あんまりよ! あんまりだと思わない? 結婚したのに! 新婚なのにっ! もっともっといちゃいちゃしたいのにっ! あのふざけた魔王のせいで、なんか心行くまでハッピー気分を味わえないのよ! ねえどういうこと⁉ わたし今、世界中の女性がうらやむ新婚よ?」

「世界中の女性がうらやむかどうかは知りませんが新婚ですね」

「そう、新婚なのっ! 新婚のはずなのよ‼」


 新婚と言えばいちゃいちゃ! ラブラブ! 嬉し恥ずかしきゃっきゃうふふなハネムーン! の、はずなのに……。


 何が悲しいって、初夜の床で枕を並べて話した新婚ほやほやの夫婦の睦言が、あの厨二病トルデリーゼの話よ!

 どんどん話が真面目な方向に進んで、初夜のいちゃいちゃ気分は吹っ飛んだわ‼

 ライナルトは真面目だから、聖レーツェル国が大変な時に新妻といちゃいちゃする気分にはなれなかったってことよ!


 つまりライナルトと心行くまでいちゃいちゃするためには、邪魔者をどうにかしなくてはならないってこと!

 だったらいっそ、トルデリーゼに説教垂れて泣かせたあとで、結婚式からやり直したいって思っても不思議じゃないでしょう?

 というか結婚式のあと花嫁衣裳のまま抱っこで玄関をくぐるとかやってみたかったのに、こんちくしょうっ‼


「お嬢さ……いえ、奥様は、こんな時でも煩悩全開ですね。普通、魔王と聞いたら皆様怯えるものですけど」

「ギーゼラだって怯えてないじゃない」

「それはまあ……、なんというか」

「あの魔王を直接見てるからね」

「はい」


 お父様曰く、確かに力は相当なものらしいトルデリーゼだが、いかんせん見た目と中身がアレである。ちっとも恐怖を感じないのだ。


「新婚旅行も延期だし、散々な気分よ。この落とし前はきっちりつけてやるわよ。わたしの幸せを返してほしいわ!」

「奥様の頭の中はいつもお花畑な気がしますけどね」


 ギーゼラ、いつもじゃないわよいつもじゃ! たまには真面目にしている時だってあるもの!

 今だって、これからお城で大司教様たちを交えて今後のことを話し合うっていうから支度してるんでしょ?


 ライナルトは一足早く、朝食を終えてすぐに登城しちゃって不在である。

 わたしたちの家族も、さすがに国をずっとあけておけないからっていう理由で、お兄様を残して全員フェルゼンシュタイン国へ帰国の途についていた。

 面倒な役割を押し付けられたお兄様は憮然としていたけど。


「というか、魔王国だっけ? そんなもんが作りたいなら、誰も暮らしていないような場所で、誰にも迷惑をかけずに建国してほしかったわ。なんだって聖レーツェル国を狙ったのかしら。どういう思考回路しているか意味不明よ。ねえ、ギーゼラわかる?」

「わかるわけないじゃないですか。奥様の思考回路すらわからないときがあるのに」

「ねえそれどういう意味?」


 なんか、トルデリーゼと同列にされたみたいでいやなんですけど。


「……はあ。本当なら、今日はお昼近くまでライナルトとベッドの中でいちゃいちゃしている予定だったのに」

「煩悩全開なのは結構ですが、淑女がそういうことを口に出すものではないですよ」

「今はギーゼラしかいないからいいのよ」

「奥様の場合、よそでもぽろっとこぼしそうだから心配しているんです」

「失礼ね。よそでは取り繕うくらいできるわよ。一応わたし、妃教育を終えている身ですからね。それも王妃になる予定で教育を受けていたのよ? わたしの面の皮の厚さを舐めないでちょうだい」

「面の皮は、ちょっと使い方が違う気がしますけどね」


 ギーゼラがわたしの髪を綺麗にまとめ終えて、純白のリボンで飾ってくれる。

 支度が終わって、わたしはごろごろと朝寝を楽しんでいた白兎のフロレンツィスカ――レンちゃんの頭をひと撫ですると、玄関前で待ってくれていた馬車に乗り込んで城へ向かった。


 昨日から一夜明けて、大混乱だった大臣たちも落ち着いていることだし、今日は建設的な話し合いができるといいのだけど。

 わたしが出動するのはおそらく決定になるだろう。

 だけど、トルデリーゼに対してどういうアプローチで行くのかはまだわからない。

 討伐、という乱暴な意見が多くないことを祈りたいところだ。


 ……というか、こうして話し合ってくれているうちに、保護者(バルトルトさん)が回収してくれると一番ありがたいんだけどね。


 さすがに、この考えは楽観的過ぎるかしら。


「はあ……わたしのピンクな日常(予定)を、返してくれないかしら」



面白い!続きが気になる!続きが読みたい!と思ってくださった皆様、

ブックマークや下の☆☆☆☆☆にて評価いただけると嬉しいですヾ(≧▽≦)ノ

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家族と移住した(仮)
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