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【書籍化】家族と移住した先で隠しキャラ拾いました  作者: 狭山ひびき
厨二病魔王と〇〇に!

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88/91

プロローグ

お読みいただきありがとうございます!


第3部はじめます(*^^*)

本作書籍③巻も7/7発売予定です!

どうぞよろしくお願いいたします。

 ハレルヤ~~~~‼


 って違うわ、ここは異世界。キリスト教は存在しないのだから。

 ああでも、こういうとき、なんて言えばいいのかしら!


 人生最高のとき? 絶好調? 薔薇色?

 ああなんだっていいわ。とにかく幸せなんだもの‼


 結婚式が終わった後はパレードを行うことになっていたので、わたしは一度控室に下がってギーゼラにお化粧直しをしてもらう。

 そんなに落ちてないけど……ほら、キスしたし。えへっ。リップが取れていると思うの~。

 ああもう、頭の中がピンクピンクしている。もう、ショッキングピンクのレベルでピンクピンクしているわ!


 ……ライナルト、カッコよかった~!


 ぱたぱたとギーゼラにフェイスパウダーをはたいてもらいながら、わたしはにへら~っと笑み崩れる。

 ライナルトの身を包んでいたのは、金糸や銀糸の刺繍の入った、白の詰襟の衣装。

 その上から濃い青のサッシュを斜めにかけて立つ彼は、もうっ! もうっ! 真剣に鼻血の心配をするレベルでカッコよかった‼


 司教様や参列者がいなかったら思いっきり抱き着きたいくらい素敵だったけど、それをぐっと我慢して式を終えたわたし、頑張ったと思わない?

 ともすれば式の最中、にへっとにやけそうになる表情を、必死に「花嫁」っぽい顔に見えるように取り繕っていたのよ。

 さすがに結婚式の花嫁がにやにやとにやけまくっていたら、雰囲気ぶち壊しだもんね?

 だけど今はギーゼラと二人きり。我慢する必要なんてナッシング‼


「パレードって王都を一周して帰るんだったわよね?」

「ええ。そのあと夜から王城でパーティーがございます」

「つまり、パーティーまでは時間があるってことよね?」

「……あると言っても、支度などがございますので、それほど余裕はございませんよ?」


 ギーゼラが「何を企んでいるんだ?」みたいな目を向けてきた。


 ……失礼ね! 企んでなんてないわよ!


 ただ、さっきの結婚式でお兄様とお父様が、たっくさんライナルトのカッコいい姿を写真に収めてくれたはずだから、早く現像(プリントアウト?)して確認したいなあと思っただけで。

 結婚式の写真を見ながら、ライナルトときゃっきゃうふふとすごしたいな~とか、思っただけで!


 ……せっかく結婚したんだから、夫といちゃいちゃする時間をもらってもいいじゃないの。


 結婚式の高揚も冷めやらぬ間に、ライナルトとラブラブしてすごしたいのだ。もう何ならパレードもパーティーも明日にしてほしいくらいである。

 パシャパシャパシャパシャと、結婚式の最初から最後までずーっと鳴りっぱなしだったカメラ――『映る君』の音の数を考えれば、さぞたくさんの写真が撮れているに違いない。

 それを全部確認して、素敵に映っているやつは引き延ばしたりして邸のあっちこっちに飾るんだもんね! 今日の感動を永遠に覚えておくために!


「新婚旅行の準備もしないとね、えへへ」

「その前に、プレゼントを贈ってくださった方々へのお礼状を出さなければなりませんよ」


 ギーゼラのその言葉で、邸には大きな部屋が一つ埋まるくらいの大量のプレゼントが届けられていたことを思い出した。


 シュティリエ国の貴族はもちろんのこと、フェルゼンシュタイン国の貴族、ロヴァルタ国の貴族、それから近隣諸国の王家からもお祝いがたくさん届いたのだ。

 結婚後、それを全部開封して、誰が何をくれたかという記録を付けた後でお礼状を出さなければならない。代筆を頼んでもいいけれど、お礼状は自分たちの手で書きたいもんね。なんか、その方が心がこもっている感じがするじゃない?

 きっとその作業に二、三日は使うだろう。嬉しいけれど、文字を書きすぎて手が腱鞘炎になりそうだわね。


「はい、終わりました。パレード開始まで時間がありませんので、急ぎましょう」

「わかったわ」


 控室を出て、わたしの支度を待っているライナルトの元へ急ぐ。


 ……ああ、何度見てもカッコイイ。抱き着きたい抱き着きたい抱き着きたい抱き着き……。


「奥様、早く」

「はい……」


 結婚式が終わり、お嬢様から奥様とわたしの呼び方を改めたギーゼラに急かされて、わたしはライナルトの隣におすまし顔で並んだ。

 抱き着くのはパレードが終わった後まで我慢しよう……。


 ライナルトの腕に手を軽くかけて頷けば、先導する騎士たちが歩き出す。

 そのあとを一緒に歩いていき、大聖堂の玄関に近づくにつれて外からの歓声が大きくなっていくようだ。

 大聖堂に伸びる大きな階段の上に到着したわたしは、バリケードが築かれた外に大勢の市民が押しかけているのを目にして思わず息を飲んだ。


 ……そ、想像してたよりはるかに多いんですけど。


 バリケードの内側に華やかな装飾がされた白い馬車が止められている。

 天井がない造りの馬車で、馬車の中にも外にもたくさんの花が飾られていた。

 馬もいろいろおめかしされているのが可愛いが、こ、これは……緊張するわね。

 市民たちは小さな旗を持ったり、花を持ったり。中には食べ物やらドリンクを片手にしている人たちもいる。

 彼らが一様にこっちを向いて手を振っているものだから、ライナルトと一緒に手を振り返しながらも、圧倒されてしまったわ。


 ……さ、さすが激カワイケメン王子。国民人気が半端ないわね。


 うちのお兄様も大概だが、ライナルトもまったく負けていない。

 市民たちに手を振り返しながら、ライナルトと共にゆっくりと階段を降りていく。

 わたし、この世界では本来なら悪役令嬢のポジションだったけど、今日だけヒロインになった気分よ。

 ラスボス(ライナルト)悪役令嬢(わたし)が大勢の人に祝福されて結婚式とか、さぞゲーム会社の人はびっくりするでしょうね。

 ま、ここは現実世界でゲームの中じゃあないんだけど。


 馬車の前まで歩いていくと、バリケードの外にいた五歳くらいの女の子が、必死にこちらに小さな花束を差し出しているのが見えた。


「ライナルト、ちょっといいですか」


 頬を真っ赤に紅潮させて、必死に「おひめさまー」と叫んでいる女の子を、このまま無視するのはあんまりにも忍びない。


「可愛いお花をありがとう」


 女の子の前でしゃがみこんで花束を受け取ると、女の子はぱあっと笑って「おめでとうございます!」とちょっとたどたどしい口調で言ってくれた。


 ……小さな女の子からの「おめでとうございます」って、なんかすっごく感動するんですけど!


「ありがとう」


 あんまり長居はできないので、女の子に手を振ってライナルトの元に戻る。


「可愛いお花をもらっちゃいました」

「嬉しいね」


 ライナルトも女の子の方に軽く手を振って、わたしをエスコートして馬車に乗り込む。

 馬車がゆっくりと動き出し、パレードがはじまって――



 この日、シュティリエ国王都は、国王即位以来の大盛況だったらしい。




お読みいただきありがとうございます!


本作③巻が7/7に発売します!

③巻もとっても可愛い作品になりました(イラスト、超キュートです!!)。

楽しんでいただけたら嬉しいです!

挿絵(By みてみん)


★あらすじ★

新婚生活にちびっこ魔王が乱入!?!?!?家族揃って転生しちゃった元・悪役令嬢のわたしが、ようやくつかんだ王子様との結婚?愛しのライナルト殿下と正々堂々いちゃいちゃ…のはずが自称・魔王のちびっこが大聖堂を占拠して大暴れ!とっ捕まえてお説教してやるっと思ったら、前魔王の息子まで現れて――わたしの幸せ新婚生活のため、魔王も救っちゃいます♪


出版社 : スクウェア・エニックス (SQEXノベル)

発売日 : 2026/7/7

ISBN-10 : 4301006303

ISBN-13 : 978-4301006305



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