プロローグ
新作です、そんなに長くはしません。
今を遡る事3年前、クライズム王国の王立貴族学院の卒業記念パーティーで婚約破棄騒動が起こった。
当時王太子のウォールズ・クライズムが婚約者であるロベリア・エネツィア公爵令嬢に一方的に婚約破棄を宣言したのだ。
ウォールズ王太子の隣には庶民から男爵家に養女に入ったエミリア・ロマーシア男爵令嬢がガタガタと震えていた。
ウォールズ王太子曰く『エミリアに嫌がらせをしただけでなく階段から突き落とし怪我をさせた!その様な者を王家に嫁がせる訳には行かぬ!映像にも残っている!』と断罪した。
ロベリアは全ての罪を認め『申し訳ございませんでした。ウォールズ様とエミリア嬢の仲が余りにも良かったので嫉妬の余り後先考えずに行動してしまいました。ウォールズ様の言う通り私は婚約者失格であり公爵家としても貴族としても失格です。私は身を退かせていただきます』と言い会場を後にした。
そして、自宅で謹慎をしていたロベリアは父親から絶縁を言い渡され貴族社会から姿を消した。
この話は国中に拡がり話題になった。
ただウォールズは国王の許可なく婚約破棄をした為に国王からキツいお叱りを受けて王太子の立場を一時剥奪、国境沿いの部隊に入れられ心身共に鍛え直され1年後に再び王太子となりその1年後には国王となった。
エミリアも国王からお叱りを受けて厳しい尋問を受けたが魅了等の特殊な力は持っていなかった為、『元々庶民だった為に貴族の常識が理解していなかった』と評価され貴族としての再教育が行われた。
と、同時に王妃教育も行われた。意外だが国王(特に王妃)はウォールズとエミリアの仲を認め了承した。
噂ではロベリアと王妃の仲が悪く王妃が裏で仕組んだのではないか、と言う話も出たが定かではない。
とにかく元庶民であるエミリアが王太子の心を掴んだ、この話は美談として持ち上がり戯曲のネタにもあった。
ただ、その中でロベリアがその後どうなったかは余り知られていない。
追放後の彼女の足取りは全くわからずにいたからだ。
国を出て他国で暮らしている、とか自ら命を絶ったとかいろんな噂が出たが噂の域を出る事はなかった。
エネツィア公爵もロベリアの事は口にしなかったので貴族社会の間ではロベリアの事はタブーになっていった。
時が過ぎるとロベリアの話題もだんだんと出なくなり忘れ去られて行った。
そして、現在······。




