デートするよ。その3.(ティア視点)
百合百合。ゆる物語っぽくないかもですけど大丈夫です...よね? たまには。
後、R15の範囲ですよね? これ。どうも何処までがそうなのか判断が難しいです。
デートから戻ってきた私とルナさんは夕食を終え、一緒にお風呂に入ることになりました。
実は今でも裸を見られるのは慣れません。恥ずかしくて頬に熱が溜まってしまいます。
ですが断るという選択肢は私にはありません。
愛してやまない人、ルナさんの裸を見たいですから。
などと思ってしまう私は聖職者として失格でしょうか。
申し訳ございません。ミネルヴァーナ様。
脱衣所でルナさんが服を脱ぎ始めます。
最初にパーカー、ついでロングパンツ。
艶やかな黒髪がさらりと流れ、絹細やかな白く美しい肌が外気に晒されます。
ルナさんは華奢ですが痩せ細っているというわけではなく、きちんと丸みを帯びていて女性らしい身体つきをしています。いいえ、女性でさえ羨む程の体型です。
目が離せません。服を脱ぐことも忘れてルナさんの身体についつい見入ってしまいます。
ルナさんの手が背中に回されます。
下着のホックを外そうとして、ここで私と目が合いました。
「どうかした?」
純粋無垢な黒の双眸が私を映します。
貴女に見惚れていたと言ったらルナさんは可愛い姿を見せてくれるでしょうか。
それとも適当なことを言って取り繕うべきでしょうか?
少しだけ悩んで私は前者を選ぶことにしました。
ルナさんに正直に伝えます。
「ルナさんに見惚れていました」
「~~~」
みるみるうちにルナさんのお顔が紅に染まっていきます。
可愛いです。でも私も恥ずかしくなってしまってお互いに顔を背けてしまいます。
以降は無言で服を脱いで洗い場へ。
かけ湯して石鹸で身体を洗い終わり、そこで髪を洗おうとしていたルナさんの姿が目に留まって傍に行きます。
どうしてもその綺麗な髪を洗いたくて「ルナさんの髪、洗わせてください」と頼んでみたら「じゃあお願い」と了承をもらったのでお湯を丁寧に優しく掛け、濡らし終わったらシャンプーを手に洗い始めます。
滑らかな指通り、痛んでいるところも少しもありません。
こんなに長い黒髪なのに手入れが行き届いているのが凄いです。
背後からちらっとルナさんを見ると気持ちよさそうなお顔をしてます。
その愛らしいお顔と黒髪堪能しました。
この後私も洗ってもらいましたけど、自分で洗うのと違って気持ちよかったです。
それから二人きりで浸かる湯船。
私達の家のお風呂は結構広いのですが、今日は私とルナさんは恋人座りで前後に並んで浸かっています。
こういう場合暗黙の了解で私が前になることが多いのですが、今回は珍しく逆です。
私の腕の中にルナさん。髪は上に纏められているので背後にいるとうなじなどがよく見えます。
首や肩などお湯が肌を伝っているのを見ていると艶やかで色っぽいです。
「ティア」
「はい」
ルナさんが私の名前を呼んで身体を反転させます。
首に手が回されてルナさんのお顔が近付いてきます。
キス。唇だけではなくて首筋や胸にも。
私も同じようにして私達は微笑み合います。
「ルナさん...」
幸せです。こんなに幸せでいいんでしょうか。
あの時ルナさんと出会って、それから私の毎日は嬉しいことばかりになりました。
ああ、でも出会うキッカケになった巨大スライム事件とかその後のジャイアントトード事件とか魔物関係のことは出来れば忘れたいですね。
レベルが上がってからは私の対魔物不幸体質も改善されてるみたいで今のところ過去のような目には遭っていません。
このまま収まって欲しいと思います。
もう心の傷を増やしたくありません...。
「・・・・・」
「ねぇ、ティア」
「・・・・・」
「ティア?」
「・・・・・」
ルナさんとのいろんな思い出を追走していて呼びかけに反応出来なかった私に再び唇が重ねられます。
我に返ってルナさんを見ると全体的に肌がほんのりと紅くなっています。
「そろそろ出ない? のぼせてきたかも」
そうですね。長湯してしまいました。
ルナさんの指示に従って湯船から出て脱衣所へ。
パジャマに着替えて私達は部屋に戻ります。
以前はルティナちゃんも一緒にこの部屋にいたのですが、ここ数ヶ月で親離れでしょうか? プラムちゃんと過ごすようになって私達の元にはあまり来なくなりました。
これも成長の一環ですから見守って喜んであげるべきなのですが、やっぱり少し寂しく思いますね。
甘えんぼだったルティナちゃんが懐かしいです。
ルナさんも若干遠い目をしています。
思いは同じみたいですね。
私はルナさんに身を寄せます。
「何考えてるんですか?」
「多分ティアと同じこと...かな」
ルナさんが魔法を使います。
炎と水と風の魔法。
全部を上手く調節して温かな風となった魔法が私達の髪を包みます。
すぐに乾く髪。こんな魔法の使い方をする人は普通いません。
いいえ、やりたくても構築術などが難しすぎて出来ません。
ずっと傍にいて見てきたのでもうさすがに慣れましたけど、ルナさんの魔法行使力は並外れています。
大賢者さんの域に達しています。
さて、後は眠るだけですけど今日はまだ眠りたくないです。
私はルナさんの大きくもなく小さくもない程よい膨らみに右手を伸ばします。
触ると柔らかいです。ルナさんは「ひゃっ」って小さく悲鳴を上げて可愛い反応を見せます。
「な、何? いきなり」
「ルナさん、隙だらけです」
左手も同じようにルナさんの膨らみに伸ばします。
ルナさんはそれを枕で防御します。
反撃してきて私はそれをルナさんと同じように枕で防御します。
じゃれあいが始まりました。
思いかけず白熱してしまって私とルナさんはお風呂を出たばかりだというのに少し汗をかいてしまいました。
「はぁ...、ティア、本気すぎ」
「はぁ、はぁ...ルナさんも...ですよ」
「「・・・・・」」
「「ぷっ、あはははははははっ」」
私達はこんなしょうもないじゃれあいに本気になってしまったことを笑い合います。
お腹を抱えてひとしきり笑って漸く収まって来たらどちらからともなく顔を近づけます。
「ティア、愛してる」
「ルナさん、愛してます」
キスしてお互いのパジャマに手を伸ばして一つ一つボタンを外していきます。
全部脱がせて裸になったらシーツの海に。
私達は久しぶりに深夜遅くまで愛し合いました。
◇
朝。先に起きていたのはいつも通りルナさんでした。
朝は苦手です。これでもルティナちゃんと寝ていた頃は頑張っていたのですが、そうでなくなってからは元通り寝坊がちになってきています。直さないといけないと思っていてもなかなか直りません。
「おはようございます、ルナさん。ごめんなさい」
「おはよう、ティア。ごめんってなんで?」
「また寝坊してしまいました」
「ああ、別に大丈夫。言う程でもないし。昼過ぎまで寝てるようだったらさすがに呆れるけど」
ルナさんは私の頭を撫でてくれます。
優しい撫で方。大好きです。
「ルナさん!!」
私はルナさんのまだ裸のままの胸の中に飛び込みます。
急にそうされて受け身も取れずベットに転ぶルナさん。
そのお顔はとても幸せそうに笑っていました。




