彼女のカバンの中身は…
高校生のカバンの中は実に様々なものが入っている。それは人によって違いその人の人間性までわかることがある。高校生らしく教科書やノートなどの勉強道具はもちろん、部活に使う道具とか休み時間に先生にバレないように隠れて遊ぶゲームや漫画が入っており、ある意味高校生のカバンは言ってみればおもちゃ箱だ。
なら女子高生のカバンはどうなんだろうか?俺は男なのでもちろんそんなこと知らない。俺は生まれてから彼女はできたことはない、なので女子高生のカバンの中身なんて知っていたら変態だ。だからこれは俺の想像だが勉強道具の他にも可愛い絵柄のハンカチやティッシュ、ヘアスプレーや制汗剤、化粧道具など女性には必要不可欠なものがあるだろう。その中には男性に見られたくない物をあるはずだ。
だから絵空はあの時俺がカバンを開けるのを必死に止めた 。だが俺はそんな物は入っていないと確信していた、きっともっと恐ろしいものが入ってるはずだから…。
「なんでこの子のカバンからこんなものが入ってるの?」
絵空はとても驚いていた。それはそうだ、自分の想像していた中身とは全く違うものが出てきたのだから。言ってみればレストランでステーキを注文したのにお刺身が出てきたみたいなものだ。
「Y君はカバンの中身がこれだって分かってたの?」
「最初は全然分かんなかったよ、けどさっきのことでだんだんとそう思えてきたんだ。」
俺は淡々と絵空の質問に答える。なぜ淡々というと分かっていたとは言え俺はこの仮説が当たって欲しくはなかったからだ、そうしないと俺は…。
「じゃあどこでわかったの?」
「あの生徒達ってみんな統制のとれた動きしてただろ?あの動きここにくる前にもみたことあるよね?
」
「そんなことは、え~と…、あっ!」
彼女も段々と気づいてきたようだった。まあもうカバン中身を見れば全てはわかったようなもんだが…。
「そしてあの放送が流れるまで生徒たちは身動き一つとらなかった。そこで俺は気づいたんだ、この生徒たちは命令されたことしかできないことにされてるって…」
「それじゃあここにいた人達は誰かに操られてるってこと?流石にそんなアニメみたいなこと~?」
彼女はふざけたようにそう言っていたが、彼女の顔はどこかぎこちない笑顔だった。やはり彼女もわかってるのだろう、そのアニメみたいなことが今ここで実際に起こっている現実を。
「ここにきた時俺達に身にある出来事が起こった。」
「そうそう、でもいつもと何か違がっての、だから私なんか恐くなって…。」
「だから俺は思ったんだ、それは命令に従い俺達を引きはなそうと。だから絵空を2階に連れていった。」
「でもなんでそんなことを?」
「それはわからない、でも絵空と離されて俺は身動きがとれなかった。だから思いきって押したんだ。そしたらそいつはあっさりと倒れた、その子のように…。」
絵空が態勢を直したおかげて彼女は始めて見たようにじっと正面を向いている。本当に人形みたいだ、でもただの人形ではないんだよな。
「Y君はそれで気づいたの?」
「その時はまだ半信半疑だったけど君の言葉で確信がついた。」
絵空が彼女を調べた結果を俺に話した時何気なく言ったその言葉、その時は流したがすぐに何かが突き刺さったような感覚が俺の体を走った。
「私なんか変なこと言ったっけ?」
「絵空はこの子汗の臭いとかで体臭が臭いって言ったよね?」
「言ったよ、こんな可愛いのに臭いって可哀想…、でもそれはこんな蒸し暑いところで着替えもシャワーもできないからって…」
この子は確かに可愛い、こんな子がクラスにいたら男子なら誰でも憧れる美少女だ。
「じゃあ絵空、今ここは蒸し暑いかい?」
「そりゃ蒸し暑いに決まって…ない?」
「そうここは蒸し暑いない、だって」
俺達は天井を見た。天井からとても涼しい風が入ってくる。とても気持ちいい風だ。
「冷房?、じゃあなんで私蒸し暑いって感じたんだろ?」
「俺の高校には全部の教室には冷房がついてる、始めて決た時からついてたよ。蒸し暑いと感じたのは俺達が必死に走ったり運動して汗かいたからだよ。」
「嘘っ!じゃあ私汗かいてる!」
絵空が別のことを気にした瞬間だった。
「だからこんな涼しい部屋に座ってるだけじゃ体臭が臭くなるほど汗はかかないはずだ。」
「じゃあなんで?」
「でもこの服装のまま厚着をすれば蒸れて汗もかくし制服も臭くなるし体臭もするよね?」
「じぁあもしかして…」
ここまで言えばもう絵空もわかっただろう。
「これを使ってたのは彼女自身だ。」
「じゃあもしかしてさっき私が倒した奴らも…」
絵空は外に倒れている奴らの元に行き被っていた仮面を外す。仮面の下にはまだ大人というには幼い少年の顔があった。
絵空はその場で泣き崩れた。
彼女のカバンの中身…それはここにくるまで何度襲ってきた奴らが使っていた装備が入っていた…。




