風呂回(風呂描写なし)
銭湯と言っても昔ながらではなくごく普通のスーパー銭湯である。もちろん混浴なんてものはなく男女別々だ。俺と絵空は待合室でまた集合ということでお互い湯に向かった。
中というと大浴場や電気風呂やジャグジー、サウナまであって結構充実していた。絵空によるとここには最初こそ連れてこられた人達が逃げてきた疲れを落としにきたため凄い賑わっていたのだが段々と人が減っていき最後には1人になってしまった。だからここに来るとその時のことを思い出してしまいここに来るのが辛くなってしまった。だから俺と出会い誰かと一緒に銭湯に行けてることができて彼女は嬉しいと言っていた。彼女が何かにつけて銭湯に俺を行かせた理由はこれである。
風呂で疲れを落とし更衣室で店で貰った服を着る。
「これでもう臭いなんて言わせないぞ!」
「ランラン♪ラ~ンラン♪」
待合室に行くとそこには絵空が相変わらず鼻歌を歌いながら優雅に牛乳を飲みながらくつろいでいた。
「男のくせに女の私より風呂が長いなんてね。」
「いろんな風呂があって少し楽しんでたんでね。」
「でしょ~、私も最初来たとき凄いはしゃいじゃったの!」
最初の頃から薄々気づいていたが俺と絵空とは結構気が合うらしい。
絵空が飲んでいる牛乳が凄い気になりそれはどうしたか尋ねると絵空は自販機を指差した。気付きにくい位置にあったため来たときには全然気づかなかった。お金を払わなくていいためボタンを押せば飲み物が出てくる。ここが本物だったらどんなにいい世界なんだろうか。
「さてくつろいでいたことだし家に行くわよ。」
「家?」
「そう、私は普通の民家を借りてそこに住んでいるのよ。」
絵空に連れられたきた家は本当にごく普通の民家だ。
「私は今ここに住んでるの」
中には家具やトイレもあり生活するには問題ない作りになっている。
「けどここに住んでるならさっきみたいわざわざ服をもらってこないでまとめておいとけば良かったしじゃない。」
「それはダメよ、いつこの家が消えるかわからないから物はおきたくてもおいとけないのよ。私の住んでいた家ももう5件も消えちゃったわ。」
「けどそれじゃ心配でゆっくり眠れないんじゃない?」
「それは大丈夫、あのサイレンがなっていろんな物が消える現象が収まってから24時間はなにも起こらないのよ。だからその時間に休んだりいろんなことをすればいいの、時間がすぎたあとは外に出ていつでも逃げれるようにすればいいだけ!」
流石にここを生き残っただけはある。こんな性格でもちゃんと考えて行動している。俺よりも優秀だ。
「そんなことよりもっとY君のことを教えてよ!私もっと知りたい!」
せっかくの機会なのでしばらく俺は絵空と自分のことを話した。そのほかにも明日からのことやふざけた話などいろんなことも話したりゲームをしたりした。久しぶりにこんな楽しい時間を過ごした。
「じゃあ俺はもう寝るよ、隣の部屋借るね。」
「え~なんで~ここで一緒に寝ようよ~」
「いいや、ダメだよ、年頃の男女で同じ部屋で寝るなんて!」
「いいじゃん…私ずっと1人で寂しかったんだよ…。だからY君と出会った時とっても嬉しかったんだ。」
その時の絵空の顔を見て俺は心を決めた。
「分かった、一緒に寝よう!」
「ほんとー!やったぁ!」
俺はもう女の子のに悲しい顔はさせたくない。と意気込んだものの…
現在、俺は絵空に抱き枕がわりにされている思ったよりも力が強くて逃げられない。
「早く脱出を…」
「Y君…ありがとう…」
俺はその言葉を聞いて思わず振り向いた。だが絵空は寝ていた。
なんだ寝言か。けど…
「こちらこそありがとうね。」




