焦りと休憩
俺は今絵空と一緒のふとんで寝ている。前にも委員長と同じようなシチュエーションがあったが今回はそれよりも大変なことになっている。ひとつ言っておくと俺はラッキースケベではない。あくまで偶然の産物だ。絵空はもう眠りについているが寝相の問題か俺を抱き枕代わりにしている。なぜこんなことになったのかはちゃんと理由がある。
少し時間は戻り…
「休憩って、そんな時間はないよ!俺は早くここを抜けていい…」
「はいはい、それ何度も聞いたらか分かってるよ~、でもねY君?君少し焦ってるよね?」
「べ…別に焦ってなんかないよ。」
「いいや、焦ってる。それもかなり。Y君が沢山辛い目にあったり早く助けたいのは分かるけど焦りが原因で判断を間違ったら大変だよ?」
「でも…」
「いいかい、このまますぐに出口に向かうこともできるけどそのままのモチベーションで行ったら必ず間違った判断で失敗する、これは絶対だ。」
「なんで絶対なんて分かるの?」
「そりゃ分かるよ、私がどのくらいここにいたと思ってるの?そしてY君と同じような焦りで消えた人を見てきたと思ってるの?」
絵空はここで何人を消えてのを見てきた。だからこそ俺の今の心理状態が分かったのだ。たしかに俺がもう少し冷静になっていれば地図とここの状況をちゃんと把握していればもう少しいい方向にすすめたかもしれない。
「分かった絵空の言う通りだ。今日は1回休むよ。」
よし、じゃあまず銭湯に行きましょう!」
「銭湯?」
「そうよ、銭湯よ!あなた臭いし、来たときが気になってたのよね~。」
「嘘、そんなに臭い?」
「うん、臭い。」
朝からから動きっぱなしで汗は沢山かいていたのは知っていたけれどそこまで臭っていたとは全く気づかなかった。
「私も結構走ったらからもう汗だくよ。早くお風呂に入りたい!」
俺は思わず絵空近づき体の臭いを嗅いでしまった。
「そんなに臭くないよ。」
「あんた女の子になにしてるよ!!!」
「ここにはね、いくら作りものとはいえ本物の街と同じように店や娯楽施設もあって商品も実際においてあるの。だから生活には困らなかったわ。」
「へ…へぇそうなんだ…。」
あぁ頬っぺたと背中が痛い。なんで俺はあんなことをしたのだろう…。そのお陰で頬っぺたに強烈なビンタを喰らってしまった。
今俺達はの着替えの服を探しに服屋を目指している。別に俺は服には興味なかったので
「今のままでいいじゃん!」
と言ったがそしたら絵空が
「 女の子に汗臭い服のままいかせるつもり!!」
と今度は背中を叩かれた…。
「さあここが服屋よ。」
その服屋はどこにでもある全国チェーンの店だったが品揃えは本物を大差なく、いやむしろ本物だ。俺と絵空はそれぞれなん着か服を選んだ。
「けどこれお金払わなくていいんだよね?」
「当たり前じゃん、店員がいないんだから取り放題よ!」
「はは…」
「さあ早く次は銭湯に行くよ!早く早く!」
そんな感じて俺達は銭湯に向かった。かくして俺の短くて長い休憩時間が始まったのであった。




