救出 そして…
数年前、Uは指令通りに現象に巻き込まれたというある民家に向かった。もちろん記録をとるためだ。いつもだったらそこでビデオをまわすだけだったがその日は何故か雰囲気が違った民家の中に入った。中には既に消えてしまったのか、それとも外出中だったがわからないが誰もいない。そこでUはあるものを見つけた。
「なんでこれが?まあいいや、ここに消えてなくなるなら貰っていこう。いつか役にたつかもしれないし。」
それから時進み、Uは施設に侵入した自分のせいで捕まった特異体質の人間を救出するために。だがもうひとつUにはやることがあった。自分とSにこんなことになった原因、この施設の人間を潰すことを…。
いくら早く来たとはいえ10日も経っているのだ。Sのように消えてほしくはなかった。だが先にやることがある。
Uはある場所に向かった。そこは特異体質の人間から採った現象に耐えうる力をこめたカプセルが保管してある場所だった。普通の人間はそれを計算され決められた時間に飲むことでこの世に存在を保てる。だがその時間以外に飲むと前の効果が残っているため体が耐えられなくなり死んでしまう。もちろんその時間をすぎると消えてしまう。カプセルは不正を防ぐために一定時間になると自動で支給される仕組みになっている。
Uはその場所にあるものを仕込んだ。それはあの民家で貰ったもの、時限爆弾…
あとで知ったことだがあそこはヤクザの隠れ家だった。そのため様々な武器が沢山あったのだ。
支給時間になるとそこの扉が開き機械が担当の人間にカプセルを支給する仕組みだったので潰すのは案外簡単だ。
扉を開く時間に時限爆弾をセットして爆発させるだけ、機械は何らかの異常を感じると停止するようにプログラムされてるため爆発なんて起こったらもちろん止まる。
Uは爆弾をセットし爆発に巻き込まれないよう1度遠くに離れた。そして爆発が予定通りおきた。ここは研究してるところから離れてるため今の爆発は誰も気づかないし厚い壁のおかげで爆発音もそんなに響かない。Uは予定通り機械が停止したことを確認するとカプセルのある部屋に入り残りの時限爆弾をセットした。人がくるかも知れないの急いで作業を進めた。
「これはSの形見少し貰っていくわね。」
Uはカプセルを何個をポケットに入れそこを離れた。
あとはあいつを救出するだけ、場所はわかってる…Sが捕まってたあの場所だ。
Uは人に見つからないようにそこに向かった。もうそろそろ異常に気づく頃だ。途中U達をあんな目に合わせた女性の姿をみた。結局名前は分からなかったがそんなことは今はどうでもいい。その女性は泣きながら何かを怒鳴るように他の職員に言っていた。
Uはそんな姿をみて少し微笑んだ。
「じゃあね…」
そして特異体質の人間が捕まってる場所についた。
「よかった、まだ消えてない。」
それはよく知っている顔、学校でいろんなことを言い合ってたやつ…Yだった。
UはYを連れて施設の中を走る…もう時間は過ぎてるため急ぐ必要はないがもしものためだ、急いでここを出たい。
不安を押さえながら研究所をでるとUはYを家の近くまで送りとどけた。YはUに詰め寄ってきたが今は話す気力はない。UはYに普通の生活には戻れたいと伝えた。今はそういうのが精一杯だった。
UはYと別れた後今までやってたことが込み上げてきた崩れ落ち泣いた。これからどうなるのだろうと不安になった。だが次のプランがある。それには同じ特異体質のYにも協力してもらわなきゃならない。Uは覚悟を決めたのだ。すべてを失ったあの時に…
翌日Uは全てを打ち明けるためにYに再び会う。




