12/16
遺書20
むかしのことを思い出した。
小学生の頃に、ランドセルに隠し持っていた遺書をいじめっ子に見つけられてしまった。
最初はわざとらしく、いやな声で音読していたのだけれど感動して泣き始めてしまった。
それを聞いていたクラス全員が笑うのをやめて貰い泣きしてしまい、感化された教師も泣いていた。
しまいには噂を聞きつけた校長が、全校生徒集会で読んで泣きだす始末だった。
学校中が泣きながらおれの死を止める事なく、なんとなくおれを送る会の様なものを厳かに開いた。
その時は別に死ななかったし、死ななかったおれを咎めるひともいなかった。
あれは夢だったのだろうか。




