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空気中に拡散して気配どころか存在感自体が消えているから只の空気だ。

58日目 昼前 ダンジョン 50F 

  


 (ポヨポヨ。ポヨポヨー。)


 迷宮王のカークスLv100は巨人らしく巨大な高純度の魔石を残して死んだ、そしてドロップ付きだ。「炎極石 火炎属性増大(特大)火炎 灼熱 業火」また石だった。まあ火を噴く巨人だから炎繋がりなのだろう。


 そしてやっぱりスライムさんが欲しがる。何故なのか石好きだ。宝石では無いから強欲委員長さんは興味なさそうだ。


 「でも武器に付与できるかも?試してみた方が良くない?持ってて後から使えるって事も有るんだよ?事前の装備の充実は大切だよ、ほらっ「転ばぬ先に殺れ」?的な?」


 「「「何で転ぶ前から殺る気満々なの!その人ただの辻斬りだからね?それ故事じゃなくて犯罪予告だよ!」」」


 みんなスライムさんにあげる気みたいだ、確かに使い道が分からないし今は付与も装備化も出来そうではないがLv100の迷宮王のドロップアイテムなんだから実はすごい物の可能性だってあるのだ。だが強請ねだってる。


 「最近スライムさんも教官してくれてたから授業料?みたいな感じで良いんじゃない、欲しそうだし?」


 (プルプル~!)


 踊ってる。と言う事は完全に言葉を理解している?賢いのは分かっていたし知的生命体なのは間違いなかったが言語学習能力何て賢いですむ話では無いだろう、最低でも人間並みと言う事なのだから。


 「大体遥君に扱えない物なら持ち腐れで勿体ないよ?それにぽよぽよして可愛いよ?欲しそうだし?」


 甘えてる!確信犯だ。可愛く愛想を振りまいて貰う気満々だよ!おねだりさんだ!知的生命体って言うよりあざといよ!愛玩スライムのフリをした知的粘体生物さんだ。


 「うん、それにスライムさんが強化されるならそれは立派な戦力アップだよ。問題ないし?踊ってるよ?」


 最近暇さえあれば看板娘と不思議な踊りで会話しているのだ、人間の言葉を完全に理解できるスライムも謎なのだが粘体生物のジェスチャーで会話可能な不思議な踊りが出来る看板娘も謎なんだよ?しかも昨日はブレイクダンスでお話していたのだ、何の話だったんだろう?


 結局スライムさんが「炎極石」を貰ってぷよぷよと喜びの踊りでお礼を言って回っている、まあ俺の支払いって言うか「迷宮アイテム払い」で相殺されるんだから良いんだけれど既に迷宮皇級のスライムさんがまだ能力を欲しがるの?食べてもスキルを吸収しているし何処まで強くなる気なんだろう。


 「さて、外で昼ご飯してもう1つか2つダンジョンを回ってみようよ~。」


 「「「賛成。」」」


 地下50階層で終わりだし隠し部屋も無いのだからもう用は無い、ゲートで真っすぐ地上に帰る。まあ、魔物が湧き直していても上層の雑魚が少量だし冒険者ギルドが確認ついでに掃討するだろう。


 お昼には好評だったオムライス祭りの再演で最上の采配でテーブルメーキングを済ませてのお食事だ。リクエストNo1だったんだよ、俺の押した親子丼は敗北した。


 草原にテーブルと椅子を作り出し、テーブルカバーをかけてお花を飾り準備は一瞬だ。そして並べてお昼ごはん。遂に1分きっただろう、早くて美味くてぼったくりだ!


 「「「オムライス・リターン!いただきま~す。」」」

 

 感動の再開にお口の周りをケチャップ塗れの女子高生たちが量産されて大量発生中だったりする。毎回毎回食べながらお替りしに来る迷惑な莫迦達はスライムさんと一緒に特大バケツ型の食器に特盛で渡しておいた。まあバケツ型の食器ってそれって何てバケツ?って言うのは内緒だ。歓んでるから良いだろう。


 満腹娘達が草原に転がっている、スライムさんも転がっている。満足した様だ。


 休憩中だから甲冑や鎧装備を外してくつろいでいる、スパッツ娘やタンクトップ娘が転がり回っているのでさっきまで喧しかった莫迦達も空気中に拡散した様だ。もう気配どころか存在感自体が消えている!だが見えてるからスキルにはならないだろう、只の空気だ。



 食後のお散歩を兼ねて川沿いを移動しながら次のダンジョンを目指す。


 川の上流?こっちは来た事が無かった、街からは近いが村も何もない地域で最近伐採され始めたエリアだったから未見だったよ。


 其処にダンジョンは在った。


 「其処は木漏れ日が溢れ緑に囲まれた大自然のパノラマと川のせせらぎが聞こえる癒しの快適空間、充分な魔力とより取り見取りの魔物達に囲まれた憩いにサンクチュアリ、素敵な生活空間ライフスタイルに最適で快適で強敵なダンジョン。好評分譲中?みたいな?」


 「「「ヤバい!気に入っちゃったー!」」」


 「いやこれ良いダンジョンだよ?確かに大迷宮よりは幾分落ちるんだけど、その分広すぎない感じだよ?造りも見劣りはするんだけどそれでも大迷宮以外のダンジョンではずば抜けて良い造りだよ。街からのアクセスも程よく魔の森にも近い、そしてリバーサイドでお魚捕り放題サービス付きで今なら何と迷宮王の魔石も付いて来る!みたいな!」


 「「「もう迷宮王殺して乗っ取る気満々だ!逃げてー迷宮王さーんって逃がしちゃ駄目だった!」」」


 こっち方向は村も何も無いからノーチェックだった、立地も申し分ないし造りは基本を抑えつつ各階層に趣向を凝らした意欲的なダンジョンだ。これはかなり腕のいい迷宮王さんの設計によるものだろう。


 「何よりもこの入り口のアーチと柱が良い感じで制作意欲をそそるんだよ!そそりあげるんだよ!そそってそそってそそりあげるんだー!」


 「って言いながら改装が始まっている!ってここは未だ迷宮王殺して無いから改装できないし、弄っても元に戻っちゃうんだよ?」


 うん。まあお試し改装的な?適当に弄っても元に戻るみたいだしお試し放題の素敵ショウルームさんみたいだ。やはりダンジョンは入り口が大事なんだよ、ここの迷宮王さんは良く解っている、中の広がりの空間もエントランスに程よく設計されていてそこから放射線状に広がるデザインが素敵なんだよ!奥行き感も抜群だ!これは期待の物件だ!


 ただこの感触と言い質感と言い適度な間取りと重厚感のある設計、ここは間違いなく深い。


 60階層は確実に超えている、70階層だって超えている気がする。ヤバいな~80Fとか90F何て化け物揃いだ、階層主クラスが集団で出て来るようなものなんだよ。まあ50階層までは危険は無いはず、他のダンジョンよりは強いだろうがLv100越えには関係無いはずだ。


 Lv100を超えてから雰囲気が変わっている、強者だと一目でわかる。ビッチなのに、因みにLv100超え過ぎてビッチ達はLv104になったそうだ、経験値を貯め込んでいたみたいだ。其れでもビッチ・クイーンへの進化は無かったようだ、ビッチA~Dもそのままみたいだ。進化条件が有るのだろうか、Lv100迷宮王のあたままるかじりとか?うん、進化しそうだ!だがこれ以上考えていると俺が頭齧られそうだ、だって睨んでる!あれは齧る気の目だ!


 「さて、中の間取りも確かめて行かないと。まずは1Fのエントランスとリビングからかな?部屋数は少ない分広々として応接間も作れそうだよ~♪」


 「「「ヤバい。ノリノリだ、歌い始めているよっ!」


 さてここがエントランス部分か~、良いねえ。異世界に鏡さえ有れば此処に備え付けで完璧だったのに、残念だが未だ鏡は作られていないみたいなのだ。造ったら売れそうだが……結構面倒だよねー?だがこの壁面は鏡張りが映えるだろう!そしてベッドルームにも必要だろう!全面に必要なのだ!


 

新年早々に評価を600人以上の方々から頂いておりました、ありがとうございました。

こちらも皆様から頂いたお年玉だと思い励みにさせて頂きます、もし本年も御気に入って頂けてお付き合い頂ければ本当に幸いです。初夢よりも夢のようで重ね重ねありがとうございました。

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