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囁かれて妄想すると攻守が逆転で最近結構技巧派だ。


58日目 昼前 ダンジョン 50F

  


 結局隠し部屋は2つだけ、迷宮アイテムも中々の装備品ではあったが際立つものでは無かった。それでもミスリル化すれば充分に戦力の増強にはなるのだが決定的な戦力にはなり得ないものだったのだ。


 何故ならあの2つが際立ち過ぎている、他の追随を許さない程の圧倒的な武力を放ち続けている。


 委員長様が振るう「豪雷鎖鞭」が圧倒的な破壊力の暴風雨で攻撃の壁を築き上げる、「豪雷鎖鞭 ALL 70%アップ +ATT 豪雷 旋風 百撃 暴空陣 距離形状数変化」それはもう制圧用兵器だ。それが委員長の鞭術で振るわれれば迷宮王ですら圧倒されている。


 そしてオタ守護者(ガーディアン)の揮うハルバート、昨晩ミスリル化と魔石付与を済ませて超絶兵器と化した「大薙太刀 ALL 50%アップ +ATT DEF 斬打刺突攻撃(大) 暴薙 衝撃」薙ぎ払い突き回し切り裂いては暴れ回る長柄の万能武器だ、それをウエポンスキルコンボの連続攻撃で繋ぎ切る。研ぎ澄まされた集中力でコンボを繋ぎ続け無理矢理に連続技に変えている、完璧なまでのチート頼り。


 もうその集中力でどうして基本練習しないのって言う位の超高難易度の連続攻撃(コンボ)が吹き荒れる、完全自動制御の技を強引に合体させたまま1つの連続技として発揮している。


 まったく自力を信じない凄い連続攻撃(コンボ)だ、合間にただ一つの自力攻撃も挟んでいない!


 委員長様とオタ守護者(ガーディアン)が交互に前後に攻守を入れ替わる。


 だから常時此方は守備が出来ている状態で受けきれる、その陣を崩そうにも此方からの攻撃も途切れないのだから防戦に回されて圧倒され続けている。


 3つの頭から炎を吐く巨人。「カークス Lv100」、まさかのLv100級の迷宮王だったから参戦しようとしたら待ったをかけられて待機中なんだよ?まあ探してみたけれど弟の「カーカ」はいないみたいだから大丈夫なのかも知れないが実力は伯仲している、危険なのは間違いない。ただそれを戦術で圧倒し翻弄しているだけだ、油断はできない。


 だがカークスはギリシア神話に出て来る火神ウゥルカーヌスの息子で弟のカーカと2人で悪さする怪物でヘラクレスに退治される巨人だったはずだ、罪状は牛泥棒と言う微妙な怪物さんだった。


 だが弟(カーカ)はいないみたいなんだけど異世界では兄弟関係が上手くいっていないのだろうか?いや、そう言えば弟のカーカが裏切ってヘラクレスに洞窟の場所を教えたと言う説もあった筈だ、不仲説が濃厚なようだ。異世界も世知辛い物なのだ。


 そしてこっちも油断できない!まさかの「大ピラミッド」からの「八段はしご」を甲冑委員長さんに仕掛けられている!てっきり「ヘリコプター」狙いと思って受けたのが失敗だった、「網」に逃げて展開をしようと油断したところに「八段はしご」への展開をかけられてスライムさんも驚きのあまりぽよぽよしている。恐るべし元迷宮皇の策略!これこそが謀略だ!実は「大ピラミッド」すら誘いだった綾取り大戦略だった!


 (プルプル。)


 スライムさんも困っているが触手は10本までなんだよ?それやりだしたら全員出来るからキリが無くなってネバーエンディング綾取りなストーリーなんだよ?禁止事項です。


 じつは甲冑委員長さんも魔手が使える、なんとこのあいだ魔手の20刀流を10刀流で叩き返されたのだ!因みに1刀流だけでも返されたからどっちにしても返される、勿論返されたと書いてボコられたと読むのが正しい解釈だろう。


 大体が下手に小技で凌ごうとすると酷い目に合う、だから実力勝負に出るとやっぱり酷い目に合う、今の所酷い目以外の結末は見た事が無いからきっと稽古と書いてボコられるとルビを打って酷い目に合うと解釈するのが一般的に普及している様だ。


 そろそろ俺と書いてボコとルビが付く日も近いだろう、昨日誰かがレジとルビを打っていたような気がしたのは気のせいだったのだろうか?


 「右翼突撃いーっ!防御陣押せえぇーっ!」


 「「「「了解(ヤー)。」」」」


 遂に2つ目の首が落ちた、もうじき左手も落とされるだろう。それでもう詰みだろう、もうLv100の迷宮王の「再生」が全く間に合っていない。委員長様の豪雷鎖鞭で「豪炎」も吹き払われてただの巨人と化している、何も出来ないまま暴れながら狩られて行く。カークスは雄叫びを上げながら削られ続ける。


 委員長様とオタ守護者(ガーディアン)の2人の突出に翻弄された、確かに危険な攻撃だ。だが真のダメージソースはその他の27人の飽和攻撃だ、少しずつ削っているようでHPの8割はその他にやられているのに派手に撃って来る2人に目を奪われている間に詰まされた。


 完全な戦術勝ちだ、策にはまった時点でLv100の迷宮王が何も出来ないまま沈んでいく。完勝だ。


 こっちも甲冑委員長さんの完勝だった。せめて四段梯子からなら受け手が有ったのだが八段は無理だ、完敗だった。


 「Lv100の迷宮王さんを撃破して凄く感動してるんだけど……綾取りが凄く気に為るのよ!」


 「でも「大ピラミッド」までの攻防は見事で見ごたえがあったよ?しかし八段は無理だったね~」


 「あれは遥君がヘタレて網まで戻そうとした時点で詰んでたね。あれはヘタレ負けだったよ。」


 何故か俺の綾取り反省会になっている。しかもヘタレ負けとか言われてディスられ中?的なチェキナウ?みたいな?いや、ヘタレたんだけどね。何で全員見てるんだよ!


 「もう綾取りのお話は良いから反省会するよ!集まってって何でみんなが必死で戦ってる横で綾取り大会が開かれて迷宮王戦そっちのけで盛り上がって白熱のバトルを展開しちゃってるの!」


 委員長様がお怒りだ。きっと綾取りに精神的後遺症(トラウマ)さんが刻まれてしまったのだろう、そして綾取り大会が大変に御不満のようだが御不感ではなかった様だ、昨晩の綾取り亀甲縛り事件でももがき回っては紐が食い込んでいき女子総出で解いて救出するまでに随分と多感な感じで敏感に感受されていたそうだ。


 って言うかどうして甲冑委員長さんは夜の個人戦の最中に戦いながら耳元で女子会の危険トークを語って来るのだろう? 何か他の女子の事とか考えたら失礼じゃん?って思ってる隙に甲冑委員長さんは防御から攻撃に転じて来るのだ!攻防囁き一体の妙技だ。


 そして此方が攻められている間も延々と耳元で紐が何処に食い込んだの胸がどうなったの解こうとしたら擦れちゃって大変だったのってささやき続けるんだよ?お陰で昨日は稀に見る劣勢で苦境に立たされ挽回迄にどれ程の攻撃を受けたか分からないんだよ!恐るべし迷宮皇の罠だった、しかも最近技巧派だから侮れない!今晩も決戦になるだろう、相手にとって不足はない!だって不足どころかその足はとっても良い御身脚様なんだ!


 そしてジト睨みで涙目のまま鞭を振り被っている委員長様に謝り倒した。そして謝り倒したのにお説教で正座までさせられたのは言うまでも無いだろう、残念な事に鞭は絡みつかないようだ、縺れなかったんだよ。とても残念だった。


 そして反省会と言いながらも満面の笑みだ、Lv100の迷宮王を自力で倒しきった喜びと自信。


 そしてLv100になった。遂に半分近くの同級生たちがLv100の壁を越え、新たな力を得た。


 だって合格も何もこれで迷宮王と本当に戦える強さを得たのだから、50階層程度なら最早ユニオンでは過剰なほどだろう。


 条件はLv100の迷宮王を倒す事?Lv100の冒険者がいると言う事はそれが出来た冒険者がいると言う事になる。それは余りに難易度が高すぎる気がするんだが?


 

新年早々に総合評価を26,000pt以上頂きありがとうございました。

皆様から頂いたお年玉だと思い励みにさせて頂きます、もし本年も御気に入って頂けてお付き合い頂ければ本当に幸いです。ありがとうございました。

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